放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は八日、昨年一月に沖縄県の米軍基地反対運動を取り上げた東京MXテレビのバラエティー番組「ニュース女子」について、番組で名前を挙げられた人権団体「のりこえねっと」の辛淑玉(シンスゴ)共同代表に対する名誉を毀損(きそん)する人権侵害があり、放送倫理上の問題もあったと認めた。その上でMXに委員会の決定内容を放送し再発防止に努めるよう勧告した。勧告は三段階ある委員会の判断で最も重い。 番組は化粧品会社ディーエイチシー(DHC)の子会社のDHCテレビジョンが制作し、昨年一月二日と九日に放送された。委員会決定によると、番組は出演者のコメントやテロップで、辛さんについて「過激で犯罪行為を繰り返す基地反対運動の『黒幕』」「参加者に五万円の日当を出している」などと表現したが、これらに真実性の証明はなく、辛さんの社会的評価を低下させ、名誉毀損が成立すると結論づけ