米軍の艦船などを自衛隊が守る「武器等防護」について、防衛省が昨年の実施結果を公表した。安全保障関連法に基づく、米艦防護と呼ばれる任務だ。 まずその中身の薄さに驚く。 書かれているのは、米艦と米航空機の警護計2件を「防衛に必要な能力向上のための共同訓練」として行ったことだけ。日時も場所も記載がない。 安倍首相はもうお忘れか。 米艦防護をめぐり、15年の安保法案の国会審議でこう誓ったことを。「国会及び国民に対する説明責任を果たすため、可能な限り最大限の情報を開示し、丁寧に説明する考えだ」 だが、実際に公表されたものはおよそ「情報開示」「丁寧な説明」の名に値しない。 昨年5月に海上自衛隊の護衛艦が米艦艇に初めて実施した際は、政府はその事実を公表しなかった。一方で、米航空機への防護については首相が先月の施政方針演説でみずから明らかにし、「日米同盟は間違いなく、かつてないほど強固なものとなった」とア