英歳入関税庁が児童福祉手当の受給者2500万人分の個人情報を保存したCD2枚を紛失していたことが、先月末、明らかになった。英国の全人口の約4割にあたる国民の情報が流出したことになる。他人の個人情報を使ってクレジット・カードを作るなど、詐欺犯罪が頻出する危険性がある。政府が維持する国民の個人情報は、近年増えるばかりだが、管理能力の欠落が目立ち、国民の大きな懸念事項となっている。事件の影響と背景を「英国ニュースダイジェスト」最新号にまとめた。 ダーリング英財務相は、11月20日、歳入関税庁(税務当局)が児童福祉手当の受給者2500万人分の個人情報が入ったCD2枚を紛失したと議会で発表した。CDには725万世帯の対象者の住所氏名や児童の出生記録に加え、受給者の国民保険番号、銀行口座などのデータが入っていた。 ことの始まりは今年3月。会計検査院が歳入関税庁に児童福祉手当に関わる情報の提出を依頼し、