▼今回の判決を受け、率直な意見をお聞かせ下さい。 危険運転致死傷罪については、危険な運転をそれと認識して行い、その危険が顕現化した場合に重く処罰する、という立法趣旨に基づいて立法され(それは、刑法中の「第27章 傷害の罪」の中に規定がもうけられていることに現れています)、元々、適用のハードルが高い構成要件になっていて、それを満たしたが故に刑も格段に重い、という構造になっています。 したがって、飲酒やひき逃げを伴う悪質な人身事故事案であっても、上記のような高いハードルは越えておらず、同罪は適用されない、というケースが生じてきます。このあたりは、国民の素朴かつ常識的な意識(飲酒して人身事故を起こし重大な結果を生じさせた場合は厳罰に処せられて当然である)と、法の現実にズレがある、という面があり、そのことが、今回の事件、判決で、非常に目に見える形で現れてしまった、という印象を受けます。 ▼なぜ今回