分厚い調査報告書に隠れた大手弁護士事務所「法テク」の大罪。レッドフラッグを見過ごしたのはなぜか。 12月6日にオリンパスの第三者委員会が発表した185ページに及ぶ調査報告書に続き、1月10日には取締役責任調査委員会が添付資料を含め全190ページの報告書で19人の現旧取締役の責任を認定した。が、そのボリュームに圧倒されて、肝心な点が見落とされている。 オリンパスの法律顧問の責任である。事件発覚まで同社の法律顧問は、国内4大法律事務所のひとつで300人以上の弁護士を抱える森・濱田松本法律事務所だった(事件後辞任)。年収が優に1億円を超えるであろうパートナーの宮谷隆弁護士が総会対策などのガバナンス(企業統治)、同じく高谷知佐子弁護士が労務を担当していた。 彼らは何をしていたのか。 逆提訴ちらつかす用心棒 社長を解任されたマイケル・ウッドフォードは、日本で一番有名なウィッスルブロワー(内部告発者)