中央大学法科大学院教授 森信茂樹 1、番号制度の導入とその意義 政府は、2015年1月をめどに、国民一人ひとりに住民基本台帳に基づく番号を割り振って、年金、医療、介護保険、福祉、労働保険、税務の6分野での活用することを予定しています。このための社会保障・税番号法、通称マイナンバー法案が、現在、国会に提出されています。個人には、生涯変わらない番号が交付され、様々なサービスを受けることが可能になります。 わが国としては、わが国の状況に合った形で具体的な活用を決めていけばよいということですが、当面は税と社会保障を中心とする6分野から始めていくことになっています。 番号導入の意義としては、「公平な社会の実現」「効果的な政策」「効率的な行政」の3つが挙げられています。基本的な考え方は、国家は、番号を活用してより正確な納税を確保するとともに、正確な所得に基づいて、社会保障を効果的・効率的に給付すると