経済産業省原子力安全・保安院が、二〇〇七年に国際原子力機関(IAEA)から組織の総合的な評価を受けた際、保安院と原子力安全委員会の役割が明確でない点など問題点を指摘されたのに、好意的に評価された部分のみを和訳して公表していたことが本紙の調査で分かった。 政府は、指摘された問題点の改善を先送りしており、IAEAから今年六月、注意を受けている。 IAEAは加盟各国に対し、規制機関が正しく機能しているかどうかを評価する総合的規制評価サービス(IRRS)を実施。日本政府は〇七年六月に評価を受け、翌年三月に英文の報告書を受け取った。 報告書は、日本での原子力の安全確保に向けた法整備、産業界との協力など三点について好意的に評価。 しかし、同じ国内に原子力安全委と保安院という二つの規制機関がある点を疑問視し、「役割を明確にすべきだ」と指摘している。このほか、原子力に関わる人材育成に力を入れることなども