視点・論点 「刑事裁判で裁けるもの」 | 視点・論点 | 解説委員室ブログ:NHK弁護士 田中早苗 資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件で今年４月、民主党の元代表、小沢一郎衆議院議員に無罪が言い渡されました。 この事件は、一旦、検察が不起訴とした事件です。それを選ばれた市民で構成する検察審査会が強制起訴しました。 法律の専門家である検察が不起訴にした事件。 私も無罪になる可能性が高いとおもっていました。 帳簿の記載が数ヵ月先に延びたことが争点だったと聞き、「なんだそんなことだったのか」と感じた方も少なからずいると思います。 裁判が始まり、マスメディアでも大きく取りあげられたので、小沢議員への裏献金や公共工事の口聞き疑惑などが存在するのか、裁判の中で解明されると思っていた方も多いはずです。 しかし、それは刑事裁判で到底裁ける問題ではありません。 刑事裁判では、検察側が被告人の犯罪を立証できるかどうかがすべてで、検察官は、犯罪を立証す
