観光地で知られるソウル・光化門の一角に毎週土曜日、立ち続けている人たちがいます。日本で横行するヘイトスピーチ(差別扇動行動)に抗議するプラカードデモのメンバーです。 「日本の保守団体の反韓デモに反対します」と書かれた横断幕を掲げると、通りすがりの人が激励をしたり、カンパや差し入れをしたりする姿がみられます。 一人から始める このデモを始めたのは、韓国で7年間、日本語を教えている桜井信栄・南ソウル大学助教授(40)です。2013年の初頭、「在日特権を許さない市民の会(在特会)」が日本の各地で「朝鮮人を殺せ」などと叫びながらデモをする動画を見て、衝撃を受けました。こうした状況に危機感を持ち、その年の5月、一人デモを開始。「民族差別のデモは日本の一部の人の行動であること、日韓の友好が大事であることを訴えたかった」といいます。その後、共感した在韓日本人や教え子などが加わるようになりました。 桜井さ