有田芳生の『酔醒漫録』 ジャーナリストの視点で挑む日本の根本的転換。その眼から見た日々の雑感を綴ります。「酔醒」は中国の「梁書」にある「酒を飲むこと能はざるも、賓客交遊を好む。終日獻酬して、其の酔醒を同にす」から取りました。 6月6日(月)原発被災地の福島県浪江町の住民から切実な話を聞いた。詳細は近く紹介したい。菅首相の退陣時期をめぐって政治的駆け引きが高まっている。菅内閣に対する強い批判を機動力とする「大連立」構想に違和感を感じている。大義はあるのか。この問題に判断を下す前提として「内部」から見た内閣不信任決議案否決の真相を記録しておく。 (1)ハンナ・アレントに「政治における嘘」という論文がある。「国防総省秘密報告書についての省察」とサブタイトルにあるように、ベトナム戦争遂行におけるアメリカ政府の欺瞞に関わる分析である。「欺く人は、自己を欺くことから始めるものだ」とアレントは人間的精神