IS(自称イスラム国)による日本人人質事件は私たちに衝撃を与えたが、それを報じる新聞の見出しに目を疑った。 2月2日付の読売新聞3面の見出しは「救出かけた首相歴訪」。しかし今回の中東歴訪の国々は、エジプト、ヨルダン、イスラエルと続き、最後にパレスチナ。これらISに対応する各国への支援が大きな目的だったはずだ。 後藤健二さん、湯川遥菜さんの殺害予告が出てから安倍首相は初めて人質事件について言及し、イスラエル国旗の前で声明を出した。そのドタバタぶりは誰の目にも明らかで、救出要請が目的のひとつだったなど、そんな話は聞いたことがない。 記事に目を通すと、今回の中東歴訪でヨルダン国王と会談した際、安倍首相は解放に向けて協力を求め、国王に頭を下げたという。「講釈師、見てきたような…」と言うが、まるでその場に記者がいたような書き方だ。 この記事の隣に配置された社説「『イスラム国』の蛮行を糾弾する」でも、