逮捕から6年半。法務検察史上、特異とされる「三井事件」は“闇”を残したまま終幕を迎えようとしている。 人事上の私怨を機に、特定の検察幹部による調査活動費流用疑惑を匿名で暴露し続け、自らの実名告発で検察の「アキレス腱(けん)」を突こうとした三井環元被告。そのインタビュー収録直前に逮捕されたため、「口封じ目的では」との憶測が検察を直撃した。 しかし、最高裁は無罪を訴えた元被告の上告を門前払いで棄却し、「調活費問題と立件は別」との1、2審判決の判断を追認した。元被告は現職検事の身でありながら暴力団関係者と深くかかわり、飲食やデート嬢の提供まで受けた。いかに犯罪性を否定しようと説得力を欠き、その「脇の甘さ」に同情の余地はない。 ただ、残された“闇”とは犯罪成立の有無でなく、捜査の「意図」なのだ。 組織に致命傷を与えるであろう内部告発者に検察がどう向き合ったのか。元被告との交際の流れを記した