東京都内の公立図書館が所蔵する「アンネの日記」や関連書籍が破られているのが相次いで見つかった問題で、新たに武蔵野市でも十七冊の破損が判明し、被害は三百冊を超えることが分かった。自治体や図書館への取材によると、少なくとも五区三市の三十八館で、計三百六冊に上る。 被害は杉並、中野、練馬、新宿、豊島の五区と、武蔵野、東久留米、西東京の三市で、東京二十三区北西部と隣接する地域に集中している。各図書館は警備員や職員による巡回を強化したり、関連書を書庫から貸し出しカウンター内に移したりして警戒している。 武蔵野市では利用者の指摘で判明した。「アンネの日記」のほか、ナチスのアウシュビッツ強制収容所を題材にした書籍などが被害に遭い、児童書コーナーの本も標的となった。新宿区でも関連書籍の被害が一冊、新たに確認された。 最も被害が多かった杉並区では、破損した百十九冊を買い直して閲覧を続ける方針だが、絶版で入手