何十年も組織の中枢で受け継がれてきた秘密の取り決めを、ある時から、辞めた元幹部たちが口々に「実は隠してました」と白状しだす。 秘密といっても、中身はとうに知られており、取り決め相手の資料や証言でも裏付けられていた。一方の当事者が認めていなかっただけ。新たな驚くべき事実もない。 これが、日米の核持ち込み密約をめぐる現状だ。 さて、これを「皆一斉に悔い改めたか」と受け取ったら、相当なお人よしである。 「けしからん。他の関係者も今こそ真実を話せ」という反応も単純すぎる。確信犯だから、尋ねればまだ何人も話すだろう。だが、同じ日米密約でも、沖縄の地位協定については、なお口をつぐむ。 今や核密約を「認めた」だけでは、ニュースと言えない。なぜ今、OBだけが、多くは匿名で(実名証言は旧条約局系でない人たちばかり)、認めだしたのか。うそを反省したわけではなく、新たな思惑があると疑うべきだ。 北朝鮮の核実験と