米兵の「公務外」の犯罪で「特別な重要性」がない限り日本側が一次裁判権を放棄するとした日米密約について、在日米軍の法務担当者らが二〇〇一年発表の論文で、密約は今も忠実に実行されていると指摘していたことが分かりました。 在日米軍の法的地位を定めた行政協定の改定時(一九五三年)に日本側の一次裁判権放棄に関する密約が結ばれていたことは、米政府の解禁文書などですでに明らかになっています。しかし、それが現代にも有効に働き続けていたことが分かったのは初めてです。 論文の題名は、「日本の外国軍隊の地位に関する協定」。在日米軍法務官事務所国際法主任のデール・ソネンバーグ中佐と在韓国連軍・米軍司令部のドナルド・A・ティム法務官特別顧問の共同執筆となっています。英国のオックスフォード大学出版の『駐留軍隊の法律に関するハンドブック』(〇一年)に収められています。 論文は、行政協定の改定に際し、「日本は非公式な合意