自殺大国ニッポン─。日本の自殺者は、7年連続で3万人を超す状態が続いている。しかし、国を中心とした社会的な対策は十分に進んでいない。そうした現状を受け、遺族支援や社会啓発などの自殺対策に取り組むNPO法人も誕生してきた。なぜ社会的な取り組みが必要なのか。NPO法人ライフリンクの代表として、自殺対策推進へ精力的な活動を続ける清水康之さんに聞いた。 ◇ ◇ 日本では、自殺に対して、個人的な信条や価値観に基づいて命を絶つものという考え方があるため、「なぜ自ら勝手に死んでいく人たちを止める必要があるのか」という議論があるという。しかし、清水代表は、日本の場合、自殺の多くが、社会的に「追い詰められた死」であり、「避けられる死(avoidable death)」であると訴える。 「個人的な人生観で命を絶つ人も確かにいる。だが、日本では、社会的に追い詰められた末に亡くなっていく人が非常に多い