アメリカの金融危機が世界中で激しい株価の下落を招き、世界恐慌の不安が募っている。 マスコミに出てくるエコノミストや政治家が、アメリカやヨーロッパの政府が公的資金を投入せよ、金利を下げよ、と声をあげる。だが、知りたいのは、そんな「とりあえず」混乱をおさめる手当てではなくて「そもそも」何がこの事態を招いたかだ。 小手先の話より、根本を知りたいのだ。 きょうの「赤旗」に載っていた「暮らしと経済研究室」主宰の山家悠紀夫(やんべゆきお)氏の解説はこう喝破する。 《金融危機の背景には、世界的な「カネ余り」があります。もうかる場所を探して、カネが動き回る。マネーの暴走です》。 70年代にドルと金の関係を断ち切られ、ドルが独り歩きするようになる。80年代には米国の経常収支の赤字が膨らみ、ドルが世界中にばらまかれ歯止めがかからなくなる。加えて米国は世界に金融の規制緩和を迫って、カネが国境を越えて自由に動き回