全国の国立大学病院が昨年初めて公表した民間企業などからの資金提供の状況(2014年度分)を毎日新聞が集計したところ、総額は約683億円に上り、このうち提供元が明示されているのは23%にとどまることが分かった。提供元が分かるのは主要な製薬企業だけで、医療機器メーカーや研究資金を助成している財団法人などは全て「その他」の扱いで名前が伏せられている。そうした企業や団体の中には、自主的に支出先と金額を公開しているケースもあり、大学病院側の情報開示に対する消極姿勢が目立つ。 開示したのは医学部を持つ国立42大学の45病院。降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑を巡って研究者と企業との不透明な資金関係が問題になったことなどを受け、国立大病院長会議が14年6月に定めたガイドラインに沿って、ホームページなどで公表した。公立大や私立大の病院は対象外。