連載「働き方改革を問う」(全8回)では、改革の行方とともに、過労死につながりかねない長時間労働や、処遇が不安定な非正規雇用など「働く現場」の実態を掘り下げました。今回は、私たち記者自身の働き方を考えます。長時間労働をどう見直すかは、報道機関が問われている課題でもあるからです。 ■朝日新聞は 5月15日、東京・芝浦にある東芝本社ビル。2016年度の決算見通しを発表する記者会見には300人超の記者らが集まった。 朝日新聞の記者は、電機担当の川田俊男(37)をはじめ約10人が出席。指名された川田は、綱川智社長に「赤字をどう受け止めているのか」と質問した。 日本を代表する総合電機メーカーの東芝は、米国での原発事業で巨額損失を出し危機的な状況にある。経営陣の判断ミスが、グループ全体で約15万人の従業員とその家族の暮らしを揺さぶる。どうしてこうなったのか、これからどうなるのかは大きな関心事だ。 川田は