「ヨーロッパが新型コロナウイルスの世界的な大流行の中心地になった」とWHO(世界保健機関)が発表したのは3月13日。筆者が住むイギリスでは、政府が3月23日に国民に外出禁止令を出したため、現状外出できるのは食料を買う時や自宅勤務ではできない仕事に出かけるときなどと、行動が制限されている。 その状況下において、外出禁止令が出る前の3月21日までの数日間で、イギリス内務省が移民・難民を収容する入管収容施設の全被収容者の32%にあたる350人を釈放していることがわかった。 これは、①移民難民支援を行っているNGOの10団体が内務大臣宛に連名で嘆願書を送ったことと、②その中の一団体が政府を相手取った訴訟を起こしたこと、この2つが実を結んだできごとだった。嘆願書と訴訟はそれぞれ、入管施設被収容者たちが新型コロナウイルスに感染する大きなリスクを抱えているとして、全被収容者の釈放を求めていた。 イギリス