入管施設での外国人収容の長期化や収容者の死亡事例が続いている。法務省・出入国在留管理庁は状況改善のためとして出入国管理及び難民認定法改正案を国会に提出し、4月中にも審議が始まる見通しだ。野党側は抜本的改革を求め、新法の難民等保護法案で対抗する。難民保護や入管行政はどうあるべきなのか。 収容長期化解決へ一歩 高宅茂 元日本大危機管理学部教授 入管法改正案の注目点の一つは、難民制度に「補完的保護」を創設したことだ。難民認定の対象にならない、難民条約所定の理由以外の理由により迫害を受けるおそれがある外国人を保護対象と認定し、難民と同様に在留を認める、としている。 また、退去強制手続きに関して「在留特別許可(在特)」を申請できるようにし、「家族関係」など考慮事項を条文に明記したのも大きい。これまで「在特」は国外退去の手続きにおいて、法相の裁量による「恩恵措置」という位置づけだった。制度のあいまいさ