安倍晋三元首相の国葬を巡り、共同通信が招待者名簿などの情報公開を請求したところ、74%の氏名が黒塗りだった。全額国費で賄われた国葬である。一層の透明性が求められよう。 安倍氏の国葬は昨年九月二十七日に東京・日本武道館で営まれた。内閣府が共同通信に開示したのは、各省庁別の推薦名簿や全体名簿など。国葬の案内状を送った招待者六千百七十五人のうち、出席者は三千四百三十六人だったという。
その存在は一部で語り継がれ、自身もファンである新海聡弁護士が理事長を務める情報公開市民センターが二〇一四年、東京都に映像の公開を求めた。しかし、特定の個人を識別できるとして、いったんは不開示。NPOは「五十年がたち、もはや識別は困難」と全面公開を求めて提訴し、結局、個人を特定できる部分を除いた映像の開示が決まった。 警察官やファンはもちろん、ビートルズの四人以外はマネジャーや国家公安委員長に至るまで、顔にモザイク処理を施した映像はいささか奇異の念を抱かせる。とはいえ、最新映像に最新技術を駆使すれば、ピースサインをした写真からでも指紋が読み取られてしまうという時代だ。個人情報の扱いに慎重になった点は理解できる。
米軍の艦船などを自衛隊が守る「武器等防護」について、防衛省が昨年の実施結果を公表した。安全保障関連法に基づく、米艦防護と呼ばれる任務だ。 まずその中身の薄さに驚く。 書かれているのは、米艦と米航空機の警護計2件を「防衛に必要な能力向上のための共同訓練」として行ったことだけ。日時も場所も記載がない。 安倍首相はもうお忘れか。 米艦防護をめぐり、15年の安保法案の国会審議でこう誓ったことを。「国会及び国民に対する説明責任を果たすため、可能な限り最大限の情報を開示し、丁寧に説明する考えだ」 だが、実際に公表されたものはおよそ「情報開示」「丁寧な説明」の名に値しない。 昨年5月に海上自衛隊の護衛艦が米艦艇に初めて実施した際は、政府はその事実を公表しなかった。一方で、米航空機への防護については首相が先月の施政方針演説でみずから明らかにし、「日米同盟は間違いなく、かつてないほど強固なものとなった」とア
警察は身内の懲戒処分に関し、情報公開に後ろ向きと言わざるを得ない。昨年1年間に懲戒処分を受けた全国の警察職員293人のうち、99人について窃盗や強制わいせつなど法令違反がありながら、処分時に報道発表していなかった。 強い権限を持つ警察は、身内に厳しくなければ市民の信頼を得られないだろう。警察は、懲戒処分の公表基準を見直すべきだ。 人事院は、中央省庁が職員を懲戒処分する際の発表基準の指針を定めている。「職務に関する行為」「私的行為のうち免職・停職に当たる行為」は、公表するというものだ。 警察職員の大半は地方公務員だが、警察庁はこの人事院指針に基づき、「国民の信頼を確保するため、発表が適当と認められる場合」も加えて公表の指針としている。 警察の懲戒処分は、免職▽停職▽減給▽戒告の4種類だ。指針に従えば、私的行為については減給以下の場合、公表されないこともある。 毎日新聞が情報公開請求で内容を確
社説天声人語朝日新聞社説をもっと読む 大学入試問題に非常に多くつかわれる朝日新聞の社説。読んだり書きうつしたりすることで、国語や小論文に必要な論理性を身につけることが出来ます。有料版のご購読で朝刊で声やオピニオンも読める!社説など過去1年分の新聞記事が検索できる!社説だけまとめて読むなら3カ月分まとめて読める!WEBマガジン「朝日新聞 天声人語・社説」海自文書隠し―国民に対する裏切りだ何回おなじことが繰り返されるのか。そのたびに行政に対する信頼は傷つき、国の土台がむしばまれてゆく。海上自衛隊から「破棄した」はずの文書が見つかった。2004年におきた隊[記事全文]予防接種―防げる病から子を守れ住んでいる場所がどこであろうと、また親の経済力がどうあろうと、予防接種で守れる子どもの命は、きちんと守る。当然のことに思えるが、そうなっていないのが日本だ。[記事全文]海自文書隠し―国民に対する裏切りだ
社説天声人語Astandなら過去の朝日新聞社説が最大3か月分ご覧になれます。(詳しくはこちら)普天間アセス―展望なき一手の愚かさ膠着(こうちゃく)状態が続く沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題で、野田政権が動いた。名護市辺野古沖を埋め立てて新滑走路をつくるための環境影響評価(アセスメント)の最終手[記事全文]企業の情報―適切な開示は国の責務情報公開という世の中の大きな流れを妨げることにならなければいいが……。そんな懸念を抱かせる判決があった。温暖化問題に取り組むNPOが、企業から政府に提出された工場別・燃[記事全文]普天間アセス―展望なき一手の愚かさ 膠着(こうちゃく)状態が続く沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題で、野田政権が動いた。 名護市辺野古沖を埋め立てて新滑走路をつくるための環境影響評価(アセスメント)の最終手続きに入る方針を決め、沖縄を訪れた一川保夫防衛相が仲井真弘多(なかいま
情報公開法 行政の透明化進めたい(10月24日) 政府は施行から10年目に入った情報公開法の改正案づくりに着手した。 内閣府に設置した準備室で論点を詰め、年明けの通常国会に提出する。 菅直人政権は「政治・行政の透明化」を掲げている。重要テーマとして取り組んでもらいたい。 改正案のたたき台は、行政透明化検討チーム(座長・蓮舫行政刷新相)が先にまとめた見直し案だ。 法律の目的に「国民の知る権利の保障」を明記するよう求めた。《1》政府の補助金を受ける公益法人も開示対象に加える《2》審議会での発言者の氏名は民間人も含め明らかにする−などを柱に公開を促進する。 国の行政機関が持つ情報は国民共有の財産である。それを幅広く開示するのが情報公開法の理念だ。国民の監視の目が行き届けば行政の腐敗防止にもつながる。 だが実際は開示するかどうかの裁量権が広く国側に認められ、請求情報が得られないケースも多かった。
社説 情報公開法改正 「国民益」を判断基準に2010年8月26日 政府の行政透明化検討チームが決めた情報公開制度の見直し案は、情報公開法改正案に「知る権利」を明記した。さらに首相に行政機関が非公開とした文書の公開を指示できる権限を与えた。 情報公開法の施行から10年を迎え、公開範囲を公益法人まで拡大し、請求手数料の原則廃止など利用しやすさを向上させる項目も盛り込まれた。政治主導を明確にし、先進国の中で遅れている国の情報公開を進展させる意気込みを評価したい。 一方で、首相による判断を上位に置くことに対する官僚の抵抗や、開示する情報の選択に際して、首相の恣意(しい)的な判断が入り込まないかという懸念もよぎる。 沖縄返還密約や核持ち込み密約のように、時の政権に都合のいい形で公開すべき情報が封印されては、本末転倒だ。普天間飛行場の代替施設の基地運用をめぐる、政府の度重なる情報隠ぺいは、官僚
社説 情報公開訴訟 司法権狭める最高裁決定2009年1月17日 行政が「不開示」と判断した行政文書は、裁判所も見るな。そんな判断を最高裁が示した。 理由は「情報公開訴訟で不開示となった文書を検証すれば文書の開示と実質的に同じ事態を生じさせる」からだという。 2004年8月に起きた、沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故に関する日米協議文書の公開をめぐる訴訟でのことだ。 米軍大型ヘリが、住宅密集地のど真ん中にある大学構内に墜落し、爆発、炎上したが、乗員も含め死者が出なかったのが「奇跡」といわれた大事故だ。 復帰後だけでも40件を超す墜落事故を米軍は繰り返してきた。再び事故が起きないという保障は全くない。 命を危険にさらされ続ける県民にとって事故の再発防止、原因の徹底究明は不可欠だが、日米両政府は「防衛上の秘密」を盾に原因や理由の開示を拒んできた。 今回もヘリ墜落事故をめぐる日米両
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