東京電力福島第一原発の事故を契機に、原発への不安や業績悪化への懸念から、全国の電力会社の株価がほぼ軒並み下落、大株主に名を連ねる自治体への配当も減る可能性が出てきた。 各社は28、29日に株主総会を終えたが、東電の配当は当面「ゼロ」となり、約4300万株を保有する東京都は年25億円以上の配当を失う。各自治体は、法律に基づき保有株を額面で資産計上しているが、あてにしていた“副収入”が減額になれば将来の事業計画の見直しを迫られる可能性もあり、担当者からは戸惑いの声が上がっている。 電力会社の業績が悪化すれば、株価も配当も下がる。大株主の自治体などにも余波が及びかねない。 東京都は地下鉄やバスを運行する交通局で東電株を保有する。戦前は、同局の前身である東京市電気局が路面電車の運行や電気供給を担っていたが、1941年の配電統制令施行に伴い、電気供給事業を国策会社に譲渡する代わりに株を取得、その後も