主要7カ国(G7)で昨年の経済成長率がトップだった英国。2008年の経済危機以降、失業問題が深刻な欧州でも失業率は最低レベルの「勝ち組」だ。だが、好調そうに見えるその陰で、低待遇で収入も不安定な「非正規」雇用を続ける人が増えている。7日投開票の総選挙でも格差問題への対応をめぐり、熱い議論が交わされている。 「英国はほかの欧州連合加盟国を合計した数字より多い雇用を生み出した。欧州の職業製造工場だ」。英国の昨年11月~今年2月の失業率が6年半ぶりの低水準となる5・6%だと発表された4月17日、キャメロン首相はそう胸を張った。 実質の国内総生産(GDP)成長率は昨年は前年比2・6%。今年1~3月はやや減速したが、好調さを示す経済指標が続く。だが、データとは裏腹に、働く人たちから雇用や生活への不満が聞かれる。 ロンドン郊外に住むトム・ミーキンスさん(22)は昨年大学院を修了して就職しようとした。で