2019年2月、イーロン・マスク氏らが投資しているAI(人工知能)研究機関の「OpenAI」は、自然な文章を生成する言語モデル「GPT-2」を発表した。その後、同モデルは「フェイクニュース」の大量生成に悪用されるとして、モデルの一部の公表を見送り、話題となっている。今回は、弁護士の二木康晴氏に、AIによるフェイクニュースの危険性について聞いた。 Q1 AIを利用してどのようにフェイクニュースが生成されるのか。 A1 OpenAIが公表したモデルは、ある文章を入力すると、それ以降に来る自然な文章を予測し、自動的に生成するというものである。 例えば、「科学者は、アンデス山脈のこれまで未開となっていた奥地の谷に、ユニコーンの群れが生息していることを発見した。」という文章を入力すると、「その科学者は、その群れが有する特徴的な角にちなんで、オヴィディウスのユニコーンと命名した」や、「ラパス大学の進化