スリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が名古屋出入国在留管理局(名古屋市)で死亡してから8カ月。かつて入管トップとして外国人の収容にも責任を負っていた元法務省入国管理局長の高宅茂さん(70)は、死亡事案の再発防止に向けて「入管内部での意思疎通の改善」を挙げる。30年以上にわたって入管行政に関わってきた専門家からみた問題点、改善点を語ってもらった。【上東麻子/デジタル報道センター】 指示が伝わらない組織 最大の問題 高宅さんは、1981年に法務省に入省。入国在留課長、入国管理局総務課長、大臣官房審議官などを務め、外国人労働者の受け入れ拡大に伴う入管法改正に関わってきた。東京入国管理局長、福岡入国管理局長も経験し、2010年から3年間、入管行政の実質的なトップである入管局長を務めた。13年に退職した後は外国人受け入れ政策の研究者に転じた。著書に「入管法概説」などがあり、その