麻生首相は1日夕、日本経団連の御手洗冨士夫会長、日本商工会議所の岡村正会頭らと首相官邸で会談し、雇用の維持などを要請した。 首相は、「雇用と賃金は生活に直結しているので、何としても防衛しなければならない」と述べ、賃金引き上げや、非正規雇用者の安定雇用、採用内定を取り消さないことなど、雇用環境の改善を求めた。御手洗会長は「経済界としても努力する。内定取り消しは首相の要請を企業に周知する」と応じた。その上で、政府の追加景気対策について「一刻も早く確実に実行してほしい」と述べ、早期実施を求めた。 要請は、雇用情勢の悪化を受けたものだ。春闘が本格化する前に、首相が直接、経済界トップに賃上げを要請するのは異例だ。 これに関連し、首相は同日夜、記者団に対し、「雇用と賃金は生活基盤の根本だ。雇用の確保だけは(企業に)頑張ってもらいたい」と語った。