フェイクニュースへの法規制は劇薬か 根絶されるべき問題だが、立法議論の先行は現実的ではない 板倉陽一郎 弁護士、国立研究開発法人理化学研究所革新知能統合研究センター客員主管研究員 フェイクニュースが問題視されている。「フェイクニュース」の確立した定義は存在しないが、ひとまずは、SNSにおける情報のフィルタリングにより、ユーザーが自らの興味等から抜け出せなくなる現象(「フィルターバブル<注1>」)を利用し、又は結果的にフィルターバブルによって効果的に拡散される、虚偽のニュースである、と整理する。SNS、特にFacebookは、ユーザーが閲覧するメイン画面(ニュースフィード)に、「友達」のあらゆる投稿を表示しているわけではない。Facebookは、ユーザーのあらゆる行動、どのようなプロフィールを記載しているか、どんな記事に「いいね」をしたか、どんな広告をクリックしたか、といったデータを一定のア