公文書という「国家の記録」は、歴史の記述に欠かせないものであり、後世の政策選択のためにも参照されるべき国民共有のだいじな知的資源である。だが、情報公開法と公文書管理法があるにも関わらず、この数年を振り返ってみれば森友・加計問題をはじめ、公文書をめぐる問題が途絶える気配がない。 現在発売中の集英社新書『国家と記録 政府はなぜ公文書を隠すのか?』は、この問題を概観し、あるべき公文書管理体制を展望している。政府が公文書を勝手に作成せず、破棄したり、隠す理由は何か。著者の瀬畑源(せばた・はじめ)氏が、情報公開請求で南スーダン自衛隊日報隠蔽問題を暴いたジャーナリスト・布施祐仁(ふせ・ゆうじん)氏を招いて公文書問題の本質を語りあった。 ※この記事は、集英社新書編集部が作成・構成したものを、週プレNEWSで配信しています。 「僕らが残してほしい文書と官僚が残したい文書は違う」 瀬畑 私は集英社新書から本