独立行政法人の随意契約において、天下りしたOBが在籍する公益法人や関連法人1法人当たりの契約金額が、在籍しない法人の約28倍に達していることが、会計検査院の調査で分かった。透明性を高めるためとして前年の随意契約を競争契約に変えながら、そのうち過半数は1者しか入札参加者がいない「1者応札」で、大半は以前の随契相手がそのまま応札していた。 調査は参議院からの要請に基づき行われ、検査院が18日に結果を公表した。これによると、計100ある独法が結んだ全契約のうち、随意契約は07年度で件数の74.4%、金額の75.1%。08年度でも件数で57.2%、金額で67.9%を占めていた。 随意契約相手の公益法人などは1152法人で、今年4月現在では約1割に当たる122法人にOB計644人が在籍。このうち国家公務員出身者の、いわゆる「渡り」は113人だった。 08年4~12月の1法人当たりの随意契約をみると、
独立行政法人が天下り先の公益法人や関連法人と多額の随意契約を結んだうえ、競争契約に移行しても新規参入を拒み、入札参加条件などにさまざまな「参入障壁」を設ける--。こんな姿が、会計検査院が18日に公表した調査から浮かび上がった。天下り先の法人では、売上高の大半をこうした随意契約で占めるケースも少なくない。問題点を指摘された件数は延べ185件に上った。【長谷川豊】 港湾空港技術研究所は、規則で一般競争入札の公告期間を10日以上と決めているのに、08年4~11月に締結した92件のうち4件は9日間。74件は入札期日の前に競争資格証明書の提出を参加要件としたが、提出期限が公告開始からわずか4日という例もあった。 周知期間が短縮されたうち7割は、1者だけが入札に参加する「1者応札」に結びついた。 緑資源機構(当時)は07年度、倉庫管理業務を随意契約から一般競争に移行させたが、予定価格に対応する資格等級
厚生労働省所管の独立行政法人「高齢・障害者雇用支援機構」が、同省OBの天下り先の公益法人「雇用開発協会」の事務所家賃など諸経費も、委託費でほぼ丸抱えしていたことが、協会関係者らの話でわかった。委託事業で実際に経費がいくらかかったかのチェックは見過ごされてきたという。 08年度決算では委託費約62億円のうち、47都道府県の協会の諸経費は総額約10億円。同機構が天下りOBの収入を、厚労省交付金などで賄う委託費で保証するシステムが明らかになったが、経費の丸抱えも、天下り団体に対する厚遇の一つとされる。協会関係者は「委託費が使い切れないほど余り、数年前まで他に流用していた」と証言しており、ずさんな公金支出が繰り返されていた。 朝日新聞が入手した、同機構が今年3月に47協会側にメール送信した「事務連絡」文書などによると、高齢者などの雇用支援事業の発注をめぐり、同機構は、各協会事務所の土地建物の年
厚生労働省所管の独立行政法人「高齢・障害者雇用支援機構」(東京都港区)が、同省OBの天下り先の公益法人「雇用開発協会」に対し、天下りOBらの年収額を決め、事業の委託費から支払うよう指示していたことがわかった。朝日新聞が入手した同機構の作成文書などで判明した。 同協会は47都道府県にそれぞれあり、委託費の総額は09年度で約59億円。そのうち約22億円が、同機構の指示通り、同協会に天下りした同省OB計約270人(08年7月時点)を含む常勤職員約360人の人件費となっていた。委託費は厚労省の交付金などから支出されており、公金を使って、天下りOBらの収入を保証するシステムを作り上げていた形だ。 朝日新聞が入手した文書は、高齢者の就業セミナーの開催などの雇用支援事業の発注をめぐり、同機構が今年3月、47都道府県にある同協会側に電子メールで送信した「事務連絡」文書。事業の受注を希望する各協会が、事
緊急経済対策のために09年度補正予算に盛り込まれた住宅取得支援策が、政府の想定の4割程度しか使われていないことが分かった。補正には、住宅金融支援機構への出資金積み増しに2600億円が計上されている。利用低迷が続けば、巨額の「使われないお金」が機構に積まれたままとなるが、国土交通省は「一度出した出資金は国庫に戻せない」としている。 政府は4月、支援機構が民間銀行を通じて提供する長期固定金利ローン「フラット35」で、住宅購入資金の1割用意しなければならなかった頭金を不要とし、一部の住宅を対象に金利を年0.3%引き下げる優遇期間を10年から20年に延ばす支援策を公表。支援策により、フラット35の新規利用者が08年度申請(5万2510戸)の3.8倍、年20万戸になるとの試算を示した。 「年20万戸」を達成するためには、毎月の新規利用が約1万7千戸に達する必要がある。しかし、機構によると、実際の
日本貿易振興機構(ジェトロ)など独立行政法人8法人が、給与とは別に「食事手当」などの昼食代補助を、職員1人当たり毎月9150〜2000円支給していたことが、会計検査院の調べで17日わかった。 支給額は最近5年で計約13億円に上る。検査院は「社会一般の情勢からみて不適切」として各法人に廃止を要求した。 ジェトロ以外の7法人は、新エネルギー・産業技術総合開発機構、中小企業基盤整備機構、都市再生機構、石油天然ガス・金属鉱物資源機構、農畜産業振興機構、国民生活センター、科学技術振興機構。検査院が今年、101の全独立行政法人を調べたところ、8法人でこうした実態が判明した。 8法人は「省庁などには低料金の職員食堂があるのに、自分の職場にはなく、福利厚生として食事代を補助してきた」などと説明。しかし、検査院の指摘を受け、ジェトロなど5法人はすでに支給をやめた。国民生活センターなど3法人も近く廃止す
政府は10日、独立行政法人改革の焦点となっていた雇用・能力開発機構を廃止することを決めた。甘利明行政改革担当相と舛添要一厚生労働相が同日会談し、厚労省所管の同機構を職業訓練業務に特化させた上で、同省所管の独法、高齢・障害者雇用支援機構に統合することで一致。廃止時期などについては今後詰める。 雇用・能力開発機構の職業訓練業務は都道府県の希望があれば移管されるが、地方移管が進まない場合、同機構の大部分の機能は存続し、別組織への「横滑り」に終わる可能性がある。 同機構をめぐっては、政府の有識者会議が機構解体と業務の地方移管などを提唱。これに対し厚労省は「雇用情勢が厳しい中、職業訓練は重要」などと組織の存続を求めていた。 甘利、舛添両閣僚による調整の結果、同機構の職業訓練業務のうち、失業者などの職業訓練を行う「ポリテクセンター」や若者の人材養成を行う「ポリテクカレッジ」は、希望する都道府県に
公的職業訓練があぶない! 公的職業訓練が危機を迎えています。 2008年9月、当時の福田内閣は「雇用・能力開発機構」の廃止を打ち出しました。 日本では、国の特殊法人である「雇用・能力開発機構」と地方自治体が中心となり、職業訓練が実施されてきました。今回の「機構」廃止方針は、公的職業訓練事業からの国の撤退を事実上、意味しています。 若年雇用を中心とした不安定雇用化、不安定雇用の長期化が叫ばれる中、官民一体となった職業訓練の充実こそが必要であり、公的職業訓練事業からの国の撤退などは、本末転倒といわざるを得ません。 私たちは、「機構」廃止に反対し、公的職業訓練事業を守るために「公的職業訓練を守る会」を立ち上げました。 今、求められているのは、公的職業訓練事業の拡充、民間訓練施設への援助の拡大です。 ぜひ、私たちの訴えに耳を傾けていただき、反対する仲間に加わっていただ
厚生労働省が所管する独立行政法人雇用・能力開発機構の見直し案を検討していた同省の有識者会議は2日、同機構の業務を職業訓練に絞り、機能を見直したうえで実質的に存続させる内容の報告書をまとめた。「高度なものづくり分野」の訓練は、国が責任を持つ必要があるとの立場だ。 個別には、同機構の中心業務で失業者の職業訓練をする職業能力開発促進センター(全国61カ所)は原則、都道府県1カ所ずつに削減するが、同センターや職業能力開発大学校といった職業訓練施設は、最大で約70施設を引き続き国が運営すべきだとした。政府の行政減量・効率化有識者会議は、同機構の廃止・解体を迫っており、年内にまとめる予定の政府方針では調整の難航が予想される。 同機構の組織について報告書は「ゼロベースでの見直し」を指摘しながらも、(1)国が業務運営の目標を指示(2)労使代表の参加(3)外部の第三者委員会設置--などを改革のポイントに挙げ
政府の重要政策の是非を評価する総務省の第三者機関が、初めて行う答申で各省の政策内容を厳しく批判していることが23日、分かった。省庁が国民ニーズを把握し切れていない点や、行政手法自体も批判しており、新たな行政改革の視点として注目されそうだ。 明らかになったのは「政策評価・独立行政法人評価委員会」(政独委、委員長・大橋洋治全日本空輸会長)の答申。 各府省自身の政策評価では省庁に都合の良い評価ばかりになるため、平成19年度から民間有識者でつくる第三者機関でチェックする仕組みが新たに始動した。今回が初の答申となる。 対象は、昨年11月に経済財政諮問会議が重要対象分野と提示した(1)育児休業制度(2)仕事と生活の調和(3)子育て支援サービス(4)若年者雇用対策−の4点。 厚生労働省など4府省の政策について「サービスの提供を受けていない者の潜在的なニーズを把握していない」と取り組みの不十分さを厳しく指
9月は、行政改革推進本部事務局で、雇用・能力開発機構の存廃についての検討の報告がありました。行革大臣の諮問機関です。雇用能力開発機構は解体、横浜のみなとみらいにある本部事務所はなくす、でも必要な事業は他の役所や法人、あるいは新法人で引き継ぐとのこと。これまでのように、看板を架け替えて生き残る余地を残した内容でした。 その前日には、「雇用能力開発機構のあり方検討会」という舛添厚生労働大臣の諮問機関の会見もありました。「機構は必要、業務については批判があるからもっと力を入れて、PRすればよい」という内容。 これからすり合わせが行われます。 さて、麻生新内閣の顔ぶれから機構の未来を占ってみましょう。 細田博之幹事長 「雇用能力開発機構の応援団」だそうです。 http://diary.jp.aol.com/4kvbum2pdv/1628.html 舛添要一厚生労働大臣(タレント議員だった頃は、テレ
「しごと館」「職業訓練センター」廃止へ 有識者会議2008年9月17日22時3分印刷ソーシャルブックマーク 政府の行政減量・効率化有識者会議は17日、独立行政法人「雇用・能力開発機構」を廃止し、機構が管理する「私のしごと館」や「地域職業訓練センター」なども廃止する方針を決めた。職業訓練など一部業務は段階的に地方や民間に移管する。福田首相も了承したが、細部は厚生労働省が年末までに詰めるため、新内閣で会議の方針がどこまで尊重されるか不透明だ。 この日まとめた方針では、職業体験施設「私のしごと館」(京都府)を廃止し、施設は賃貸か売却を検討する。機構の主要業務である失業者向けの職業訓練を行う全国61カ所の職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)は、他法人に引き継いだ後、段階的に都道府県や民間に移管する。職業訓練の指導員を養成する職業能力開発総合大学校(神奈川県)は廃止か民営化するとした。 一方
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く