ベネッセコーポレーションに日本年金機構、そして東京商工会議所…。後を絶たない個人情報漏洩事件は、医療業界にとっても他人事ではない。業界別の個人情報漏洩件数で例年、医療業界は上位の常連だ。 日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)によれば、2013年には全国で1333件、計931万人分の個人情報が漏えい。損害賠償総額は2000億円規模に達したとみられるという。この少なからぬ部分が、医療業界に絡んでいることになる。医療用IDの運用ともあいまって、医療情報のセキュリティーに関する議論は今後ますます熱を帯びそうだ。 「ITヘルスケア学会 第9回年次学術大会&モバイルヘルスシンポジウム2015」(2015年6月6~7日、熊本市)の特別講演では、愛知医科大学医学部附属病院 医療情報部長 特任教授の深津博氏が登壇。「ITヘルスケア普及のための『改正薬事法(医薬品医療機器等法)』の検討と求められる情報