日本は30年にわたり賃金の停滞が続いています。一方で税や社会保障費の負担額は増え続けてきた為、実質的な手取り賃金は逆に減少を続けてきました。その間にも諸外国は経済成長を続けてきましたので、今や日本の平均賃金はOECD加盟国の中でも下位に沈むようになっています。これは本当に残念な傾向です。 この状況に対して、「日本は格差が拡大しており、それを是正すべき」と叫ぶ政治家や有識者も少なくありません。実際に非正規雇用者の多くは年収200万円台であり、彼らの人数も増え続けています。これは確かに憂慮すべき事態です。しかし一方で「格差が拡大している」と主張するからには、収入の下限の人達だけに注目しても余り意味がありません。収入の上限の位置にいる人達、つまり富裕層にも同じく注目する必要があります。なぜなら富裕層の経済的影響力は非常に大きく、それが収入の下限にいる低所得者層にも影響を及ぼすからです。 ではどう