2024年05月15日13:22 カテゴリ本 今も日本経済に必要なのは「構造改革」だ 「小泉改革」と呼ばれた経済政策の大部分は、竹中平蔵氏の立案したものだ。1990年代には数十兆円の財政出動によって日本の財政赤字が世界最悪になったにもかかわらず、経済は回復しなかった。それに対して不良債権処理で企業の過剰債務を清算し、ゾンビ企業を淘汰したことで、2003年以降、日本経済は回復した。 マクロ経済政策に頼らないで、企業の新陳代謝でで生産性(潜在成長率)を高めることが、竹中氏のいう構造改革だった。しかし彼の専門は金融ではないので、その政策はかなり荒っぽいものだった。特に、彼が「金融再生プログラム」で打ち出した繰り延べ税金資産についての査定の厳格化は大きな論議を呼び、自己資本の大半を繰り延べ税金資産が占めていたりそな銀行は債務超過の危機に直面した。 このため破綻の責任を追及されることを恐れた金融庁(