情報処理推進機構(IPA)が4月25日に公開した『IT人材白書2014』に並ぶ数字は、日本のIT業界の現状を鮮やかに映し出している。現状と言うよりも“惨状”と言ったほうがよいのかもしれない。多くのIT企業が、目先の巨大開発案件により生じた技術者不足への対応に懸命になる一方で、ユーザー企業の新たなニーズに応えられる人材の育成に無頓着であることが透けて見えてくる。 白書には、2013年10月にIT企業とユーザー企業を対象に実施した「IT人材動向調査」の結果を収録しているが、それによると、技術者不足を訴えるIT企業は、前年調査に比べ10ポイント以上高い82.2%に達した。特に「大幅に不足している」とする回答は、6.8ポイントも跳ね上がり19.0%となった。 この数字自体に驚きは無い。開発規模が20万人月と言われる、みずほ銀行のシステム統合を筆頭に、日本郵政や東京電力のシステム刷新、マイナンバー関