Home › 記事 › 彗星_ある艦爆パイロットの戦い 彗星_ある艦爆パイロットの戦い By James_f on 1st March 2021 • ( 5 ) (これは2009年6月10日に書かれた記事の再掲載です) カシノのブラックジャックテーブルというのは不思議な社交場であって、身も知らない人間同士が一致して、たとえば17からもう一枚ひきたい誘惑やディーラーの絵札に対してエースをスプリットしないまま勝負する誘惑にひとりひとりが耐えて「テーブルをつくる」作業をとおして一種の「友情」を形成してゆきます。 シドニーの平場のテーブルなどは世界でもいちばん滅茶苦茶なテーブルであって、絵札をスプリットしちゃうひともいれば、18からひくひともいて、論外だが少なくともクラブのブラックジャックテーブルにはまだブラックジャックというものの複雑さや良さが残っている。 そういう場ではマフィアの親分と市長が肩
Home › 記事 › 「時間を取り戻す」_経済篇 「時間を取り戻す」_経済篇 By James_f on 29th September 2021 • ( 6 ) (この記事は2011年1月3日に「ガメ・オベール日本語練習帳 ver.5」に掲載された記事の再掲載です) 英語ではconfidenceという。 confidence、という言葉を見て「自信」という日本語が頭に明滅してしまったひとは、もうそこで大誤解が始まってしまっている。 一回深呼吸をして、そーか、 confidence、という言葉があるのだな、と思ってくれるのでなければ困ります。 「経済」というものは一面、政治のように信条によって一致することのない、さまざまな思惑をもつ人間の心理の複合体だが、この confidenceはいわば経済という欲望と恐怖心がないまぜになった巨大な乗り物の燃料で、これによって経済は動く。 confide
Home › 記事 › Get lucky Get lucky By James_f on 4th March 2024 • ( 0 ) ぶちこわれて放射性物質がどばどばと流出している福島第一原子力発電所の近くで、笑顔の家族の団欒をすごしているひとびとがいる。 あるいは見るからにあぶなそーな食品を選択して食べて「食べて応援」と勝ち鬨をあげているひとびとがいる。 放射性物質取扱資格が定める上限よりちょっと高いくらいの放射線レベルがなんぼのもんじゃい、そんなの全然ヘーキヘーキ、ヘーキx2、ということにした豪毅な日本国民と違って、相変わらず放射脳で非科学的な恐怖心しかもたない西洋人どもは、サムソン50インチ液晶スクリーンのなかで、汚染水にくびまで浸かって、あるいはひどければ水中に潜りまでして、海水浴を楽しむ日本のひとびとを、自分達には理解不能な国民として眺めている。 日本に初めて滞在した夏、読ん
Home › 記事 › ハムナー・フォレスト ハムナー・フォレスト By James_f on 4th June 2022 • ( 3 ) いつのまにか、ハムナーの森の、深い霧のなかに立っている。 ハムナーというのは、南島の、カンタベリーにあるスパリゾートで有名な内陸の町です。 綴りはHanmerだが、発音は、カタカナで書けばハムナーで、日本にいたとき、いちど、日本のガイドブックにはニュージーランドやイギリスが、どんなふうに書いてあるのか好奇心で、立ち読みしていたら、ほんとうはニュージーランドに行かないで書いたのか、英語がまるきり判らない人なのか、 案の定、「ハンマー」と書いてあって、面白かったことがある。 サーマルプールとスパが有名だが、ほんとうは、小さな町の周りに広がる森林を散歩することが、最も楽しい。 あっというまに、白く、濃密になる霧のなかで、現実世界では、いつもモニさんと一緒だが
Home › 記事 › 戸籍 戸籍 By James_f on 5th March 2024 • ( 1 ) わっしは無戸籍者である。トーホンにもショーホンにも記載がない。 驚くべき事に、住民票にも記載がないのね。 たいへんではないか。 パスポートの発行はどうするんでしょう。 心配ですね。 いーえ、心配ではありません。 だってニュージーランド人は、ニュージーランドにいても、みんな無戸籍だもん。 住民票にも誰も載ってません。 住民票なんて、わけのわからんもんはニュージーランドにはないからな。 謄本も抄本もない。 だって、いらねーじゃん、そんなもん。 「戸籍」って、なんのためにあるの? わっしの義理叔父のところには「働き者の中国娘を奥さんに!」 とか 「若くて聡明なロシア人と幸せな結婚を」だとか山のようにメールがくる。 なぜか。 住民票の上では独身だからです。 ちゃんと奥さんがいるが住民票には
Home › 記事 › Haters Haters By James_f on 15th March 2021 • ( 1 ) (2014年9月24日に「ガメ・オベールの日本語練習帳 ver.5」に掲載された記事の再掲載です) 予想どおり、というべきなのだろう。 エマ・ワトソンの素晴らしいスピーチ、自分が女優であることを忘れて、ひとりの、正当に扱われたい、「女」ではなく一個の人間として認められたいと願う若い人間に立ち返っての、だからこそ声が震え、女優らしくない張り詰めた緊張と戦いながら述べたgame changingなスピーチに対して、 「おまえのヌード写真を盗りだして晒しものにしてやる」と、日本の2ちゃんねるの模倣サイト4chanにたむろするひとびとが述べだしたのを嚆矢に、 「エマ・ワトソンの男への偏見はメル・ギブソンのユダヤ人への偏見と変わらない」 「あんなアイドル女優にしかすぎない女
Home › 記事 › 日本語という噂 日本語という噂 By James_f on 30th January 2024 • ( 0 ) 物識り揃いの日本の人たちだが、意外なことを知らないことが、ときどきあって、 例えば自分たちが普段使っていて、そのなかで思考していて、そのなかで怒ったり、笑ったりしている「日本語」が少なくとも最近までは五本の指に必ず入る程度に「美しい言語」とされていることを知らない人が多かったのには、びっくりさせられた。 英語でもフランス語でもいいから、グーグルで検索すれば一目瞭然で、無類のグーグル検索好きの日本の人が知らないのは、なんだか不思議な気がする。 欧州人が初めに日本語に気を惹かれたのは、(それこそグーグルで検索すると「音は評価されない」と出てくるが)実は「音」が先で、小津安二郎や成瀬巳喜男の映画は、欧州人は頭が不便なので字幕に頼って観なければならなかったが、「完
Home › 記事 › 日本語、日本人 日本語、日本人 By James_f on 29th January 2024 • ( 0 ) 日本語の外からやってきた者にとって日本語と日本人を分けて考えるのは難しい。 わしガキが日本にいた頃なら、日本の人たちは「当たり前のことではないか」と言っただろうし、いまなら、どうだろう、半分以上の人が「そんなことはないとおもう」というだろうか。 アメリカを旅していると、おもしろい経験をする。 例えば、きみはニューヨークのマンハッタンにいて、自虐なので真に受けてもらっては困るが、ロンドンよりも不味い飯にうんざりしている。 マンハッタンは、よくよく食べ物がおいしくない町で、ピザやファラフェル、スペアリブのようなものは旨いが、偏見を明らかにして述べると、食べ物の味に、なにがなし、魂が不足している。 どうするか。 スペイン語を話せばいいんです。 8年くらい前に店を
Home › 記事 › インボイス制度 インボイス制度 By James_f on 30th September 2023 • ( 1 ) インボイス制度と呼ばれているものは、本来は消費税制度と一体とも言えるもので、 いままでのように帳簿制で消費税を徴収するほうが変わっている。 早い話がUKもNZもインボイス制度です。 じゃあ、インボイス制度でいいじゃありませんか。 世界の他の国はほとんど早くからインボイス制度なんだから、日本も、ここに来て、インボイス制度で他国並、あるいは、ほら世の中にはPEPPOLというものがあって、どこの国もゆっくりと欧州の統一規格にあわせようとしているでしょう? いままで帳簿制度消費税徴収なんて、国民の消費税課税への不平との非論理的な妥協でしかない歪な日本ローカル制度から、一躍、他国に先んじてリニアなシステム統合が出来ますよね? 財務省の官僚などは、「理屈が通ればこ
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