福島第一原発事故に関する政府の事故調査委員会が当時の吉田昌郎所長に聴取した記録、いわゆる「吉田調書」が11日、公開された。 「調書」は事故を検証する上で第1級の資料とされていたが、その内容は吉田元所長本人の意向で公開されていなかった。しかし、吉田元所長が去年、亡くなった後内容について様々な報道が飛び交ったことから、政府は混乱を回避するためとして遺族の意向を確認した上で公開に踏み切った。 3年半前、津波により全ての電源を失われた福島第一原発。水素爆発や核燃料が溶けだすなど、危機的状況に追い込まれた。その現場で8か月にわたって指揮を執ったのが、去年7月に亡くなった吉田昌郎元所長だ。現場の指揮官が事故当時、何をし、何を考えて対応にあたったのかが記された「吉田調書」。政府の事故調査・検証委員会が吉田元所長からのべ28時間にわたって聴取した404枚にも及ぶ資料に記されていたのは、事故直後の生々しい危