物語論序説: 〈私〉の物語と物語の〈私〉 作者:遠藤健一松柏社Amazon 物語論 (ナラトロジー) の主たる流れに従って、非言語的な物語より言語的な物語を対象としており、なかでも特に 「一人称の物語テクスト」(物語論の用語で言うと 「等質物語世界的物語テクスト」) を扱う。 部分的には、エクフラシスというかたちで絵画に関連する物語も扱われている。 全6章+補論から成り、1〜3章が理論編、4章〜6章と補論が実践編。 ポイント 語るということは、物語る世界の外側に立つことに他ならない。 語るということは、「語る〈私〉」(=潜在的な一人称の語り手) を不可欠に伴うことになる。 どの登場人物の視点が語りのパースペクティブを方向づけているのかという問題と語り手は誰なのかという問題はまったく別であり、区別すべきである。 第1章 物語論の臨界 ──視点、焦点化、フィルター [41ページ] 物語論の 「