5億9100万~5億6500万年前、地球の磁場の強さが異常に低下したのと同時に、大気と海洋の酸素濃度が大幅に上昇していたことを報告する論文が、Communications Earth & Environmentに掲載される。著者らは、地球の磁場が弱くなったために酸素濃度が上昇し、初期の複雑な生物の進化が下支えされたと考えられるという見解を示している。 6億~5億4000万年前の地球上の生命体は、エディアカラ動物群(最古の複雑な多細胞動物群)として知られる軟体生物で構成されていた。この化石記録は、こうした軟体生物の複雑度と種類が5億7500万~5億6500万年前に著しく多様化したことを示している。これまでの研究で、この多様化が、同時期に発生した大気と海洋の酸素濃度の大幅な上昇に関連していたことが示唆されている。しかし、こうした酸素濃度の上昇が起こった原因は、いまだに解明されていない。 今回、