先日紹介した松林哲也『政治学と因果推論』に続く、岩波の「シリーズ ソーシャル・サイエンス」の1冊。 社会科学の中でも「サイエンス」とみなされにくい社会学について、「社会学もサイエンスである」と主張するのではなく、「社会を知るには非サイエンス的なものも必要なのである」という主張によって社会学の意義付けをはかっています。 著者は以前にも筒井淳也『社会を知るためには』(ちくまプリマー新書)でも、社会学のあり方について論じていましたが、(一応)中高生向けのプリマーより1歩も2歩も3歩も踏み込んだ議論がなされています。 社会学に限らず、社会科学に興味がある人の幅広くお薦めできる本ですね。 目次は以下の通り。 はじめに 第1章 社会学における理論――演繹的ではない理論の効能 第2章 因果推論と要約――記述のための計量モデル 第3章 「質と量」の問題 第4章 知識の妥当性・実用性 終 章 「満員電車を避