テクノロジーはマルチタスクを容易にしてくれたが、一方で、大人のADHDの増加にも寄与しているのかもしれない。(PHOTOGRAPH BY EDWIN TAN, GETTY IMAGES) 注意欠如・多動症(ADHD)に悩まされる大人が、かつてないほど増えている。その一因として疑われているのが、インターネットにつながったデジタルメディアが脳に負担をかけているのではないかということだ。 日本を含む世界の研究を分析した学術誌「Jornal of Global Health」の論文によると、2020年にADHDを抱える大人は6.8%近くにのぼり、米国では2003年の4.4%から約2.4ポイント上昇した(編注:2011年の厚労省の報告によると、日本における成人期のADHDの有病率は2.09%)。 「これは、現在世界中でADHDを持つ大人が約3億6600万人、すなわち米国の人口とほぼ同じだけ存在するこ