戦後を代表する憲法学者の最新講演集 リベラル・デモクラシーの現在 「ネオリベラル」と「イリベラル」のはざまで (岩波新書) 作者:樋口 陽一 岩波書店 Amazon 改めて憲法に関する本が読みたいなと思い、そしてどうせならやはり定番著者の、しかも最近のものを……ということで手にとってみたのが、今回紹介する樋口陽一の岩波新書『リベラル・デモクラシーの現在』だ。 1934年生まれの樋口陽一は素人の私でも知っているくらいの代表的な憲法学者で、日本のいわゆる戦後民主主義を理論的に支えてきた人物の一人かと思う。(この辺りの歴史に詳しいわけではないのでこれから勉強します) 本書の冒頭で語られているが、著者はこれまで4冊の岩波新書を刊行している。順に『比較のなかの日本国憲法』(1979年)、『自由と国家―いま「憲法」のもつ意味』(1989年)、『憲法と国家―同時代を問う』(1999年)と、最初の3冊はそ