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阿部和重に関するsakstyleのブックマーク (7)

  • 阿部和重『オーガ(ニ)ズム』 | Living Well Is the Best Revenge

    阿部和重の小説を取り上げるのは『ピストルズ』以来二度目となる。「神町サーガ」あるいは「神町トリロジー」と呼ばれる三部作の掉尾を飾る書は1600枚、三部作中最長の超大作である。神町(「じんまち」と読むらしい)は山形県東根市に実在する地名であり、阿部の生地である。書は単独でも十分に楽しめるが、『シンセミア』『ピストルズ』につながる内容であり、とりわけ『ピストルズ』と深い関係がある。三部作を合わせると4400枚という量であるから、前日譚を読むのが面倒であれば、私のレヴューに目を通して『ピストルズ』の内容を頭に入れてから書に向かってもよいかもしれない。三部作に共通するのはサーガの名のとおり、いずれも地方の典型的なサバーブ、神町を舞台にしていることである。しかし神話的な暴力や差別が横行するフォークナーのヨクナパトーファ、中上健次の紀州といった荒ぶるトポスに比べて、神町はなんとも薄っぺらだ。そこ

    阿部和重『オーガ(ニ)ズム』 | Living Well Is the Best Revenge
    sakstyle
    sakstyle 2019/10/29
    “「見わたすかぎり、血塗られたみたいにまっ赤に染まった大空」を見上げる。(...)ここではアメリカと日本の間で乱反射するようなきわめて錯綜した引用がなされているのだ。”
  •  阿部和重 “クエーサーと13番目の柱” - three million cheers.

    クエーサーと13番目の柱 作者: 阿部和重出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/07/05メディア: 単行 クリック: 25回この商品を含むブログ (24件) を見る タイトルは何か意味ありげでとても奇妙だけど、小説内の語句からそのまま来ている直截的なもの。 ハイテク武装した私的パパラッチ・チームの話で、怪しげな新人メンバー、観察対象であるアイドル、そして「願いは必ずかなう」という(ありがちな)自己啓発法則が絡む。 反社会的でセミプロフェッショナルなチームというのが『インディヴィジュアル・プロジェクション』に似た雰囲気で好み。 「引き寄せの法則は投資などをする人が読むようなありふれた成功哲学です。そのスピリチュアルな面を虚構的に俗っぽく強調することで、何か違った意味を持たせられたらと意図しました。世間で紋切型として扱われている言葉や概念を更新することは、文学のひとつの役割だと思っ

     阿部和重 “クエーサーと13番目の柱” - three million cheers.
  • 古川日出男的地図作成術――来るべき古川論のために - 感情レヴュー

    ある意味承前*1 古川日出男の作品には、頻繁に地図が参照され、地名が記述される。しかし古川的地図は、その土地固有の風土をもたない。物語の背景として記述される地図・地名には、作中人物がかつて生活してきた記憶や痕跡をとどめないし、今後も生きるべき参照枠として固有の付加価値を持たない。それが古川的地図。 ここでおさらいをしておくと、そのような土地固有の風土を最終的に無効なものとして処分したのは、文学史上、後藤明生の「団地」と中上健次の「路地」だとされる。そしてそれ以降、そのような更地化した地図の上に、架空の物語を注入し、記号論的な都市空間やテーマパークを演出する試みがいくつかなされてきたのだった(村上春樹の「ジェイズバー」「神戸」から島田雅彦の「郊外」「ロココ町」など)。 しかし古川的地図に記述される地名はそのどれでもなく、無機質なものだ。作中人物が動く線と線を結ぶ交点として、あるいはエピソード

    古川日出男的地図作成術――来るべき古川論のために - 感情レヴュー
    sakstyle
    sakstyle 2008/02/25
    古川の記号化した地名は何をも表わさず、作中人物を繋ぎ、前後のエピソードを繋ぐ機能を果たすのみ/虚構を前提した想像力の無節操さを制限する役割/コメ欄も
  • 阿部和重『ミステリアスセッティング』評 ―2006-12-05 - 感情レヴュー

    ミステリアスセッティング 作者: 阿部和重出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2006/11メディア: 単行購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (64件) を見る1 「少女の悲痛な歌声が、奇跡を起こす」という帯に巻かれた阿部和重の『ミステリアスセッティング』は、吟遊詩人になることを夢見、歌とともに生き続けたいと望む少女を主人公に置き、その彼女にクライマックスで「小さな歌声を上げ続け」させるに至るまで一貫して「唄うこと」にまつわる話をくりひろげるその印象から、一読「唄うこと」が主題だと言ってしまいたくなるし、それはそれで確かにその通りなのだけれど、より厳密に言えば、歌を「聴くこと」が主題なのではなかったかと考えてみると、いろいろ腑に落ちるところがあるのではないか。 というのは、主人公の少女・シオリが実は音痴で、その結果ひとを苦しめたり、可愛がっていたインコを死に追いや

    阿部和重『ミステリアスセッティング』評 ―2006-12-05 - 感情レヴュー
    sakstyle
    sakstyle 2007/10/15
    反復と「聞き誤り」
  • TINAMIX Vol. 1.21 阿部和重インタビュー

    阿部和重(あべ・かずしげ) 1968年生まれ。小説家。作品に『アメリカの夜』(講談社、第37回群像新人賞受賞)、『インディヴィジュアル・プロジェクション』(新潮社)、『無情の世界』(講談社、第21回野間文芸新人賞受賞)など。

    sakstyle
    sakstyle 2007/06/24
    映画とマンガの違い(時間構造)、サブカルチャーと老い(意味もゴールもないが走り続けること(?))/阿部の東へのコメントが面白いw
  • 作家の読書道:第64回 阿部 和重さん

    第64回:阿部 和重さん (アベ・カズシゲ) 構想において手法において、つねに小説という手段で冒険を続ける阿部和重さん。新しい試みを続ける彼も、実は、過去のからさまざまな影響を受けているといいます。はじめて自分で買い、今でも大きな存在となっているとは? 小説の“発見”となった一冊とは? そして、いつかはこんな小説を書いてみたい…と思っている、名作のタイトルとは。意外なタイトルが次々飛び出すインタビューとなりました。 (プロフィール) 1968年9月23日、山形県東根市神町生まれ。94年『アメリカの夜』で群像新人文学賞、99年『無情の世界』で野間文藝新人賞、2004年『シンセミア』で伊藤整文学賞及び毎日出版文化賞(文学・芸術部門)、05年『グランドフィナーレ』で芥川賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ABC戦争―plus 2 stories』『ニッポニアニッポン』『映画覚書 Vol.1』『

  • boid.net

    『シネマの記憶喪失』発売記念爆音ナイト 「文學界」& boid presents 2月3日(土)、爆音ナイトに中原昌也&阿部和重が登場します! 『シネマの記憶喪失』詳細→ 阿部/中原両名がパンフに寄稿した『憂な楽園』、そして、中原昌也の希望による『ガルシアの首』が爆音にて、バウスシアターのスクリーンを揺らします。 そして、中原昌也が爆音用にセレクトした、当日までは秘密の2作品。 果たして何が登場するか、この「シャウト」を爆音で見なきゃどうする! という爆音ファン必見の作品です。 お楽しみに!!! 『憂な楽園』侯孝賢 『ガルシアの首』サム・ペキンパー + 中原昌也セレクションによるシークレット上映2作品 + 阿部和重×中原昌也トーク 2月3日(土) 23:00スタート 会場:吉祥寺バウスシアター 料金:2300円(当日券のみ) ※当日券・整理券は21:30より、劇場

    sakstyle
    sakstyle 2007/01/12
    2月3日(土) 23:00スタート会場:吉祥寺バウスシアター料金:2300円(当日券のみ)
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