約2億5千万年前に陸から海へ“進出”した爬虫類(はちゅうるい)は、やがてどんどんと多様化していった。全長約90センチの全身が岩に封入された「グリフォデルマ・カンギ」もその一つで、日本初公開となる。中国・雲南省の約2億3800万年前(三畳紀中期)の地層から発見された。 「板歯(ばんし)類」という絶滅した爬虫類の一種で、石畳のような板状の歯が並ぶ特徴を持つ。ただ下あごの先には歯がなく、口先で海底の泥などを払い、貝などを食べていたとみられるという。 板歯類は進化するにつれ、背中に薄い板状の骨「皮骨」が甲羅のように発達していった。属名の「グリフォデルマ」は、細かな凹凸模様が刻まれた皮骨という意味。その意味通り、甲羅部分に多角形のごつごつした凹凸がびっしりと広がる。カメそっくりだが、実はカメと異なり、背骨や肋骨(ろっこつ)が甲羅につながっておらず、現代のアルマジロの構造に近いという。 ⇒「海竜~恐竜
Cover Story:飛行への道:初期の飛行性脊椎動物に最も近縁な動物 2020年12月17日 Nature 588, 7838 翼竜類は動力飛行(羽ばたき飛行)を進化させた最初の脊椎動物だが、その正確な進化的起源をたどるのはこれまで困難だった。今回M Ezcurraたちは、表紙の想像図で描かれているlxalerpeton polesinensisなどの、ラゲルペトン類(lagerpetid)と呼ばれる肢の長い華奢な体の動物の一群が翼竜類の姉妹群である可能性が非常に高いことを示して、この空白を埋めるのを助けている。著者たちは、マイクロコンピューター断層撮影(マイクロCT)と骨格の化石の3D再構築を用いることで、内耳の形をはじめ、ラゲルペトン類と翼竜類に共通する数々の特異な特徴を特定した。陸生の脊椎動物と飛行性の脊椎動物の間の正確な遷移はまだ分かっていないが、今回著者たちが集めた証拠は、翼
【9月28日 Xinhua News】中国科学院南京地質古生物研究所は24日、中国や英国、カナダの古生物学者の研究により、約4億4千万年前のオルドビス紀末に起きた最初の大量絶滅が新たな生命の誕生を促したことがわかったと発表した。 今回の研究は、最初の大量絶滅から「生き延びた生物」について行われた。対象は腕足動物と呼ばれる2枚の殻を持つ海産の無脊椎動物で、現在もシャミセンガイなどが生息している。最初の大量絶滅が起きるまで、腕足動物は地球上で最も数が多く、種類が豊富な生物の一つで、個体群の変化が大量絶滅という現象を映し出す生物学的な「鏡」となっている。 オルドビス紀末に起きた地球初の大量絶滅で、当時生息していた生物種の80%以上が絶滅した。今回の研究によると、大量絶滅後に新たな種が誕生し、繁栄する機会を得たことが明らかになった。研究者の復元図によると、大量絶滅が始まってから約50万年の間に氷河
Cover Story:ロボット古生物学:羊膜類化石のロボットモデルが示唆する初期の四肢類の歩行様式 2019年1月17日 Nature 565, 7739 四肢を持つ脊椎動物が初めて陸に上がったときに、その歩様が具体的にどのように進化したのかを解明するのは、化石に保存されている情報量が少ないことが多いために困難である。今回J Nyakaturaたちは、羊膜類のステムグループの一種であるOrobates pabstiの推定される歩行様式を、リバースエンジニアリングで再構築した結果を報告している。今回Orobatesが選ばれたのは、全身の完全な化石が、歩行の際に足が置かれた場所を捉えた行跡(連続した足跡)の化石とともに保存されているためである。著者たちは、Orobatesと行跡の化石をデジタル化して、運動学的シミュレーションと動的シミュレーションを行い、妥当と思われる歩様を特定した。次に、こ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く