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reviewに関するsakstyleのブックマーク (154)

  • 若き音楽家志望たちの青春群像 ――宮内悠介『アメリカ最後の実験』(新潮社、2016年) : Days

    宮内を読んだのは『ヨハネスブルグの恋人たち』が最初で、デビュー作の『盤上の敵』はいまだ読めていないが、大森望編の『NOVA』シリーズで短編を読んだりしつつ作にたどりついた。宮内悠介という作家のイメージはまだそんなに固まっていなくて、『恋人たち』では紛争地で落下する初音ミクのようなロボットたちのなれの果てを美しい文章で彩っていた記憶があるが、今回も音楽という意味では共通しているところがある。そしてストレートではない、少しひねくれたような美しさもここにある。青春とはそういうこと、かもしれない。 グレッグ音楽学院。入学するのは極めて困難な難関音楽学院として知られるこの学校の入学試験を控える日人、脩。アメリカ西海岸において困難な挑戦を試みる理由の一つは父親の存在で、脩の父親である俊一はグレッグ音楽楽員の入試を突破し、そしてのちに失踪する。事実上の母子家庭で育った脩は母親の愛情にも反発を覚え、不

    若き音楽家志望たちの青春群像 ――宮内悠介『アメリカ最後の実験』(新潮社、2016年) : Days
    sakstyle
    sakstyle 2016/04/24
    君嘘と比較して、視点の頻繁な切り替えに着目した書評
  • 波 西崎憲「音楽とアメリカと謎――多面的な野心作」| 新潮社の電子書籍

    宮内悠介の新作の主題が音楽であると聞いた時、わずかに不安を覚えたことは告白しておくべきだろう。 音楽を主題にした小説にはいいものが少ない――もちろんそれは個人的な見解であるが、少なからぬ数の読者が賛同してくれるのではないかと思う。 面白いものになるのが難しい理由は、書き手があまりに主題を愛しすぎるせいである。書き手のその愛はしばしば信仰に近づく。迷いのない信仰に基づく作品が、小説として面白くないのはまあ当然だろう。「ストーンズがおれに生き方を教えてくれた」などの意識で書かれた小説の面白さが限定的であることはかなり明白である。 音楽小説が興味深いものになるのは、音楽そのものではなく、それに関連するオブセッションを描いた時だろう。そしてほっとしたことに『アメリカ最後の実験』もまたそのような方向で書かれた作品だった。ジャズって素晴らしいな、といったものではなかったのである。 中心人物は日人の若

    波 西崎憲「音楽とアメリカと謎――多面的な野心作」| 新潮社の電子書籍
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    sakstyle 2016/02/09
    音楽とアメリカと謎――多面的な野心作――宮内悠介『アメリカ最後の実験』西崎憲
  • The Red Diptych 無用の長物としての文芸作品――飛浩隆『グラン・ヴァカンス』

    SF小説を読んでいると、技術的に酷い水準のものが平然と流通していることに出くわすことが多く、呆れかえることが結構ある。  特に、語りの構造に対する自覚のなさという意味では、絶望的である。例えば、25世紀なり30世紀なりを語りの現在時とする語り手が、なぜか、20世紀や21世紀の英語や日語の使用者にとってわかりやすく自然な表現を書き連ねる。また、25世紀なり30世紀なりに生きている人物にとっては常識的すぎてわざわざ説明の必要もないはずの説明が、(ちょうど20世紀なり21世紀なりの人間にとっては飲み込みやすいようなほど親切に)饒舌に語られる。  もちろん、ここには、SFそのものの持つジャンル的な特性が原因としてある。いかなる話者がいかなる聞き手に向けて小説の語りを遂行しているのかを意識しすぎれば、そもそも成立しなくなってしまうような作品も多い。逆にミステリであれば、話者がどのようなスタンスで誰

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    sakstyle 2014/02/17
    “長篇小説としての結構を備えつつ、韻文を志向するような詩的言語の集積によって成立している”→仮想現実という舞台設定(有用性の剥奪)によって可能に→そこに有用性を与えるのがこの作品の「残酷」
  •  P・W・シンガー “戦争請負会社” - three million cheers.

    “Corporate Warriors: The Rise of the Privatized Military Industry” 2003 Peter W. Singer ISBN:4140810106 戦争請負会社 作者: P.W.シンガー,Peter Warren Singer,山崎淳出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2004/12/22メディア: 単行購入: 4人 クリック: 106回この商品を含むブログ (127件) を見る ウェーバーによれば「国家」とは暴力を独占するものとして定義され、軍隊はその主要な装置とされる。 通念としてもこの認識は広く共有されてきたことと思う。つまり、戦争をおこなう軍事力はすべて何らかの国家に属するもののはずだという、暗黙で疑われることのない認識。911後の「非対称戦争」の時代においても、少なくともその一方の側は相変わらず国家およびその軍隊で

     P・W・シンガー “戦争請負会社” - three million cheers.
    sakstyle
    sakstyle 2013/11/10
    レジュメ読みやすい。感想面白い
  • tokyo404 - unlockedworld-detective

  • 俺俺 - unlockedworld-detective

    sakstyle
    sakstyle 2013/07/03
    ふたばの話してるのが面白いw
  • 久しぶりに本を読んだものなど - 死に舞

    いろいろ忙しくて読書ぜんぜんしてなかった。翻訳の仕事、研究の論文、書評のためでちょろっと読むことはあっても、ほとんどを読まない生活を何ヶ月か過ごした。多分、こんなの人生初だった。 まあ読書をしなくても、ネットやゲーム映画やアニメを消費することで、人生の無駄などしていない自身はあるけど、やっぱりの良さもあると、最近、読書して再確認しておる。なんというか思考のペースが穏やかというか、ちゃんと考えられるのがの良さだ。 といっても読んだのエンタメ小説や新書なんだけど。あぁじっくりと哲学のとか読める生活したいなぁ、当に。 機龍警察(ハヤカワ文庫JA) 月村 了衛 機龍警察 自爆条項 (上) (ハヤカワ文庫JA) 月村 了衛 機龍警察 自爆条項 (下) (ハヤカワ文庫JA) 月村 了衛 機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド) 月村 了衛 がががと一気に三巻分! 何を隠そう私はアニメのN

    久しぶりに本を読んだものなど - 死に舞
    sakstyle
    sakstyle 2012/10/10
    『機龍警察』「百合とかBLとかそういった側面ばかり強調されがちですが」→強調しているのは一部の人たち……  Noir気になる
  • つまり、私のいない読書? - 東京永久観光

    青木淳悟『私のいない高校』を読んでいる。 この小説に「何が書いてあるのか」はわかる。ところが、この小説が「何をしているのか」がわからない。 言い換えれば、ふだん小説を読んでいて「この小説はいったい何をしているのか」と首をひねることはない。なぜなら、小説はたいてい小説らしいからだ。書く人は小説を書くようなことをするし、読む人は小説を読むようなことをする。 ふだん読んでいる小説がことごとく小説らしいものであったことに、そうでない小説を読まされれることで、初めて気づかされた。という図式。 では、この小説はふだんの小説とどこが違うのか。「何をしているのか」がわからないのはなぜか。 そう問いかけて誰でも答がわかるようにと、タイトルを「私のいない高校」にしたのだろうか? というわけで、たぶん、この小説には「私」がいない。「私」を「主人公」と捉えてもいいだろう。もうちょっと踏み込んで「近代的自我」とか言

    つまり、私のいない読書? - 東京永久観光
  • 【跡地】リレー書評第1回:なぜグーグルは自動車を作るのか~『テレコズム』から知るインターネットと未来学の関係~ - netpoyo広報ブログ

    アクセスありがとうございます。 エントリーはねとぽよの新メディア「 POYO NET」に移行しましたぽよ。 以下が新しいURLとなります。 http://news.netpoyo.jp/2012/06/10 今後とも、ねとぽよをよろしくお願いしますぽよ。

    【跡地】リレー書評第1回:なぜグーグルは自動車を作るのか~『テレコズム』から知るインターネットと未来学の関係~ - netpoyo広報ブログ
  • イヤーッ!実際傑作、「ニンジャスレイヤー」!! - ディドルディドル、猫とバイオリン

    ドーモ、みなさんおひさしぶり、hatikadukiです。 ところでみなさんは、巷で噂の「ニンジャスレイヤー」を知っていますか!「ニンジャスレイヤー」とは2010年7月からtwitter上で連載されている小説のタイトルです。自分も今年の秋にまとめ読みしてドはまりしたのですが、紹介記事みたいなのは意外と見つからないのでDIYしてみます。ちょっと自分の手には余る傑作ではあるのですが、できるだけ「ニンジャスレイヤー」という作品の素敵さをお伝えできるようがんばります。カラダニキヲツケテネ! とりあえず概要 ↓こちらが「ニンジャスレイヤー」を連載しているtwitterのアカウントです。 http://twitter.com/#!/NJSLYR 特徴としては、エピソードごとの独立性が高いという作品の特徴を活かし、時系列シャッフルでの連載を行なっている点があり、これは公式アカウントによる解説「はじめての皆

    イヤーッ!実際傑作、「ニンジャスレイヤー」!! - ディドルディドル、猫とバイオリン
  • 【鏡音リン・レン】ジェミニ【オリジナル】 - Jablogy

    動画タグ 音楽 鏡音リン 鏡音レン Vocaloid DixieFlatline ジェミニ ProjectDIVA2nd収録曲 JOYSOUND交渉中 星のうた レヴュー 鏡音リン・レンによる透明感あふれるグルーヴィなR&Bナンバー。曲の概要・歌詞などはニコニコ大百科が参考になります。当に大好きな一曲で、久しぶりに聴いて言葉にするのがためらわれるくらい、ジーンと来ています。 サウンド あまりに好きなのに自分ではうまくアナライズできないので、@sunshowerさんのブログ「コード進行で切る!最新J-POP!!最新洋楽!!」での企画に便乗して、コード進行の分析をしてもらったことがあります。というわけでコード進行についてはこちらをご参照ください。 浮遊感・透明感あるコードワークと共に、イントロのストリングス(とフルート?)のフレーズが全編で要所に登場して、統一感と独特の手触りを生んでいると思

    【鏡音リン・レン】ジェミニ【オリジナル】 - Jablogy
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    sakstyle 2011/09/29
    何の音が鳴っているからどうのという分析は分かりやすくて個人的には好き。
  • サイバーバロックの系譜2:弐瓶勉とサイバーバロック? - 死に舞

    前回のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20110609/p1)が好評だったら続き書くとか行ってたけど、実際には自分の好き勝手やってるだけで、サイバーバロックという空想概念を駆使して自分の好きなものを他人に勧める俺ワールドを展開したいだけです。ともあれ、期待してお読みいただいた方々にも納得行けるようなお話をデッチあげられればと思い、今回は弐瓶勉について。 正直、私は弐瓶ファンとしてはかなりのニワカでして、そもそもあんまりマンガを読まないせいもあるんですが、ふとしたきっかけ(実はそのきっかけこそ、このエントリのシリーズの要だったりするんですが、それはまだ隠しときます(笑)に弐瓶作品を読み、すぐに虜になりました。 そうこう読む内に弐瓶勉作品がどういう系譜にあるのかも当然考えて、まあ作品から明白に取れる意匠はたくさんあれど(例えばBLAME!のセーフガードが

  •  パオロ・バチガルピ “ねじまき少女” - three million cheers.

    “The Windup Girl” 2009 Paolo Bacigalupi ISBN:9784150118095, ISBN:9784150118105 SFを分類するとき、作品世界の物理法則が概ね現状と同じか、そうでないかという分け方が可能だと思う。 後者は、作品内で物理学に大きなブレイクスルーが起こる世界や、あるいは既にそのような変化が過去に起こっていて現実にはあり得ない技術が一般的になっている世界。遠未来が舞台で超光速航行が実現してるような作品ならばこれに該当する。 前者は、物理法則は現実世界のままだけど、その前提を崩さずに工学技術だけが発達しているような世界が該当する。たとえば作での「新型ゼンマイ」というガジェットは、現在の世界にはない製品ではあっても、現在の物理法則に決定的に反しているわけではない。やがて技術が進展すれば可能になる余地はある。 サイバーパンクというジャンルは

     パオロ・バチガルピ “ねじまき少女” - three million cheers.
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    sakstyle 2011/06/15
    さまざまに策をめぐらせ全力を尽くしつつも予期せぬタイミングのズレや思惑のすれ違いで仕方なく計画が崩れていく……という物語が好きなのだけど、その意味でこの小説は理想的なレベルにある
  • パオロ・バチガルピ『ねじまき少女』感想について、上田早夕里先生によるtweet、リツイートを中心にまとめ。

    翻訳SFの注目作、パオロ・バチガルピ『ねじまき少女』(ヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞/キャンベル記念賞受賞)。 各所で様々な感想が語られています。 その中で上田早夕里(Ued_S)先生が昨年、『ねじまき少女』と自作『華竜の宮』との共時性を語るいしがめ(wishgam)さんの感想に興味を惹かれて諸々twitter上の他の方の感想も踏まえつつ連続tweetをされていたので、取り急ぎまとめてみました。

    パオロ・バチガルピ『ねじまき少女』感想について、上田早夕里先生によるtweet、リツイートを中心にまとめ。
  • ねじまき少女読了 » Supper's Ready

    ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF) ねじまき少女 下 (ハヤカワ文庫SF) がめさんのツイートで知ってから一年、ついに待ちわびたねじまき少女が和訳されました。 どういうかについては勝手にググって。 舞台は化石燃料が枯渇し、作物は遺伝子病で軒並み全滅し、一部カロリー企業が物を取り仕切る世紀末世界のバンコク 西洋人起業家アンダースン・レイク、没落した華僑ホク・セン、日人に捨てられたねじまき少女エミコ、断固たる態度で国内への不正な遺伝子の流入を防ぐ環境省の隊長ジェイディー、その副官カニヤ、以上五人による群像劇というか、各章はそれぞれの人物の視点で描かれていく。 で、ストーリーテリングとしては、まあ出来ている話だとは思うけどあまりに陰惨なので個人的には好きになれないというか。 やはり作品の最大の魅力は圧倒的な世界観の提示だと思うわけで。そしてこの作者は終末の景色を描くのが目的で小説書い

  • 「華竜の宮」は風の谷の水域沈没第2部じゃなかろうか(いい意味で) - 万来堂日記3rd(仮)

    「華竜の宮」少し前に読了しました。 かなりおもしろいです。夢中になりました。傑作といっていいんじゃなかろうかと思います。 ここ数年、日のSFは元気だと思うのですけれど、話題になった作品は(「天冥の標」を大いなる例外としますと*1)とんがった作品が多かったような感があるのですが、「華竜の宮」はとんがったところのない、なんといいますか、堅実な、コンベンショナルなSF作品です。 手法の面でも、テーマの面でも、「ええっ!? これは新しい!」といった驚きは存在しません。 その意味で、大変に敷居の低い作品です。さあさあ、安心して読んじゃってください。 そして、日SFの伝統を追体験していただきたいです。 作は、伝統の一側面を凝縮させた、大変な力作なのですから。 海底隆起によって海洋の面積が大幅に拡大した25世紀、人類は文明を維持した陸上民と、バイオテクノロジーの発達の結果海での生活に適応し、ボーダ

    「華竜の宮」は風の谷の水域沈没第2部じゃなかろうか(いい意味で) - 万来堂日記3rd(仮)
  • asahi.com(朝日新聞社):磁力と重力の発見(1〜3) [著]山本義隆 - ゼロ年代の50冊 - BOOK

    磁力と重力の発見(1〜3) [著]山義隆[掲載]2010年4月25日■〈遠隔力〉に着目する大きな歴史観 予備校の教室に入ってきたその教師は、ひげ面に炯眼(けいがん)。パワフルな話し方は、まるでアジ演説。「文楽人形みたい」。当時高校生で、授業を受けていた評論家の山形浩生さんは、そんなことを思っていた。 教師が教える“受験物理”も異色だった。 「受験問題を解くのだから、普通、公式からどんどん移項して解いていきますよね。でも先生は無意味な移項をすると、『それは物理じゃない、算数だ。物理の公式とは、ものごとの因果律を表現する式なんだ』と言っていました」 その教師が山義隆さんだった。 いまや全世界が包み込まれている世界認識の枠組み、それが近代西洋に生まれた自然科学だ。その思考の枠組みはどう成立したか――。磁力と重力という〈遠隔力〉に着目、発見過程を歴史的に追跡した。圧巻は中世、ルネサンス期への言

  • 清塚邦彦『フィクションの哲学』検討会のためのレジメ - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    あしたの検討会のためのレジメです。 検討会で人に見せたら変更したくなると思うけど取りあえずアップしておきます。 書き方がえらそうでごめんなさい。 ■ 書の目的 「フィクションの概念分析」 ■ フィクションの概念分析とは何か 「フィクション」という概念に関する諸原理を明らかにする。 ただし、 「フィクション」は多義的である。 たとえばフィクションには以下のような相異なる意味がある。 (1)虚偽 (2)実在と対応しないもの (3)文学作品 書は、 (3)の意味を基としつつ、 より包括的で より見通しのよい フィクション概念を提案する。 より包括的であるとはどういうことか? 絵画、彫刻、演劇、映画などの非言語的作品も包括する。 より見通しのよいとはどういうことか? 問題領域についてよりよい理解が得られる 一貫したシンプルな原理によってフィクション概念の質を捉える フィクションにかかわる諸

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    sakstyle 2010/01/26
    一通り読んだけど、またあとで読む/いくつかの議論は、受け入れがたい。しかし「語り手と作者の分離」という規定とごっこ遊びの理論を結びつけるあたりはうまく機能していると思った
  • 長谷敏司『あなたのための物語』と山本弘『地球移動作戦』 - the deconstruKction of right

    両作品が対照的で同じような現代的テーマを扱っていて面白かったので、簡単に感想をなど。『あなたのための物語』を評価するのは結構僕自身は両義的である。「純文学」としては文章や描写が殺伐としている。「エンターテイメント」としては、展開などがフラットすぎる。しかしそのフラットさが、作中にもある「平板化」とあわせて、ある意味を持っているところが、評価の迷うところ。基的に、SF読者が期待しそうな「科学による解決」を全部外していくことによって作劇がされている。そこを評価するかどうか。 主人公のサマンサは、人間の脳に人工神経を形成し、それをコンピュータ言語に変換し、人間とコンピュータを繋ぐ装置を開発している。物語は死の病によって身体を蝕まれていくサマンサと小説作成人工知能「WANNA BE」との関係によって進む。この物語は基的に「この私」と「身体」の問題系に帰結すると思う。例えば自分の人格をコピーした

    長谷敏司『あなたのための物語』と山本弘『地球移動作戦』 - the deconstruKction of right
  • 「あなたのための物語」 - 万来堂日記3rd(仮)

    あなたのための物語 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) 作者:長谷 敏司早川書房Amazon 読み終えたばかりで、まだ興奮しており、心の整理が済んでいない。 大体こういうときは、後でまた何度も感想を上げなおすことになるんである。「Self-Reference ENGINE」の時もそうだったし、「ハーモニー」の時もそうだった。 もしかしたら私の頭が固いのかもしれないが、この作品はサイバーパンクのひとつの結論であるように思う(結論がこれひとつとは限らないのが、小説の素敵なところだが)。 テクノロジーが、人間の一番根源的な体験であるところの「死」に対して、何をなし得るのか。 テクノロジーが人間をどのように変えていくのか。 ギブスンのあの名作「冬のマーケット」を上回るビジョンがこの作品で展開されている。ギブスンは死そのものを迂回して、その先を描写してしまった。 死を前にしては(ある意味)何人

    「あなたのための物語」 - 万来堂日記3rd(仮)
    sakstyle
    sakstyle 2009/10/12
    今のところの私の中でのこの作品の位置づけは、「ハーモニー」のさらに先の光景を、あらん限りの想像力を振り絞って描写したもの、といった感じ。