【仮想世界におけるディエゲーシス、あるいは世界の「ダンジョン化」】 レフ・マノヴィッチ(ニューヨーク市立大学大学院センター教授)によれば、現在見られる大半のゲーム(3D空間を歩くようなタイプの)は、「仮想空間を航行する」という点で共通する。彼が挙げている二つの代表的なゲーム、《ドゥーム》と《ミスト》では、プレイヤーは動き回ることで初めて「地図化」されるような空間を与えられる。どちらのゲームでも、まずプレイヤーは出発地点に投下され、ゲームのナラティブ(物語の叙法)の結末に辿り着くまでに地図化し得るほぼ全ての空間を訪れることになる。日本でも有名な《ゼルダの伝説》や《ドラゴンクエスト》、《ファイナルファンタジー》のシリーズは、基本的にゲーム内の「時間」それ自体を、「3D空間上の移動」と同一視することができる。換言すれば、プレイヤーが世界の謎を少しずつ解き明かしていくにつれて、その世界の「縁」が次