ヒューム「人間知性研究」#2 自由意志と懐疑論 [ 近代哲学 ] 自由意志(free will) 決定論によると、あらゆる行動は全てなにかしらに決定されており、自由意志は存在しない。しかし、それによると、私がどのようなことをしようと責任や罪は私自身のうちになく、その決定したものに回帰する。ヒュームがとる立場は私の行動は全て決定されているが、それでも自由意志はあると主張する「両立論(compatibilism)」とされる。ヒュームは上記の恒常的連接による習慣や常識の形成を人間の生活にも適用する。つまり我々は親しい友人がいきなり暖炉に手を突っ込み燃え尽きるまでそのままにしているなどと予想しないし、落とした財布が羽が生えて戻ってくることを期待しない。このように人間の行為の間には規則性や常習性がある。しかし、だからといってこれは人間の自由意志の否定にはならない。習慣に逆らって手を暖炉に
ヒューム「人間知性研究」#1 恒常的連接と因果関係 [ 近代哲学 ] ロックから始まったイギリス経験主義はヒュームで極限まで押し進められる。それにより彼は因果関係の必然性とそれを形成する人間理性に対する懐疑論を提唱する。 観念の起源 ヒュームは「知覚(perception)」という語を用いる(これはロックの「観念」にあたる)。知覚は「印象(impression)」と「観念(idea)」のふたつからなる。「印象」は我々が直接経験する「生き生きとした」経験であり、外的知覚である「感覚」と内的知覚である「反省」に分けられる。「観念」は印象のコピーであり、それより鮮明さを欠いたものとして与えられる。 ・単純観念と複合観念 逆に言えば、最初に印象として経験していないものに対して観念を持つことは不可能であるという。しかし、例えば、「黄金の山」のような実際に直接印象として経験した
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