大きさが数ミリメートル、あるいはそれ以下の「マイクロロボット」をつくろうとする研究は、1970年代から始まりました。しかし半世紀ほどを経た今でも、アリやハチのように自力で自由自在に動きまわれるロボットはできていません。金属やプラスチック、シリコンなどでできた人工物を、ただ小さくしていくだけでは無理があるようです。 そこで発想を転換し、ロボットの一部に生物の筋肉そのものや、細胞の中にあるタンパク質などを組みこんで動かそうとする研究が進められています(前回を参照)。しかしアリやハチは、ただ動くだけではなく、感覚や知能も備えています。マイクロロボットにも必要な機能ですが、やはり小型化に伴う問題を避けられません。果たして、これも「生命と機械の融合」という発想で克服できるでしょうか? 「補う」ことから「強化」「拡張」へ 「サイボーグ」とは「サイバネティック・オーガニズム」の略で、一般的には生物と機械