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ブックマーク / d.hatena.ne.jp (325)

  • [映画]『ゼロ・グラビティ』 - 空中キャンプ

    内容に触れているので、未見の方は注意 コーマック・マッカーシーの小説『ブラッド・メリディアン』(早川書房)でもっとも印象に残っているのは、男たちが砂漠をひたすら移動しつづけるくだりだ。暴力的な描写の多い作品だが、もっとも身に沁みて過酷であると感じたのは、直接的な暴力よりも砂漠の移動場面だった。貴重な飲み水が尽き、飢えと乾きに苦しめられながら、砂ばかりの土地を移動するほかない男たちの姿を想像するにつれて、読んでいるこちらまで喉がからからになるような感覚がもたらされるのだ。水が飲めないことの恐怖が迫ってくるようだった。むろん、これは作者の筆力に拠る部分が大きい。このような感覚を、文章を通じて読者に与えることのできる書き手は限られるだろう。読了後、蛇口をひねれば清潔な水が出てくる自分自身の環境が、何か信じられないことのようにおもえたのを覚えている。 感覚に強く訴えるタイプの作品は記憶に残る。僕に

    [映画]『ゼロ・グラビティ』 - 空中キャンプ
  • 量子怪盗 - unlockedworld-detective

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    sakstyle 2013/12/11
    「フィンランド出身のSF作家ハンヌ・ライアニエミのデビュー作。」「地球を舞台にした2巻の『複雑系王子』は2015年に翻訳の発売が決まっている。すごいタイトル。」
  • まだある! クオリアを便利にする9つのツール - ぐだぐだ日記

    めも, 思索タイトルはホットエントリメーカーより最近は自分の中で「心の哲学」ブームでした。心の哲学と一口にいってもいろいろ論点があるようですが、クオリアや現象的意識、意識のハードプロブレムといったものに興味があったので主にそのへんを中心に考えていました。で、一区切りついたので簡単なメモを書いておこうと思います。目次とまとめを先に載せておきます。目次0.意識のハードプロブレムって?1.現象的意識と機能的意識の区別はいらない2.説明のギャップ3.汎心論へ4.実はぜんぶ嘘5.まとめまとめ・クオリアや現象的意識といわれるものは、情動や記憶、言語といった様々な機能に還元できるよ・意識を機能や能力として考える以上、すべてのモノに意識があるという汎心論が導けるよ・大事なのは、どんなモノにどんな機能があるかを分析することだよ・全部嘘っぱちで物質的な世界観は虚構だとする考え方もあるよ(これについてはまた今度

    sakstyle
    sakstyle 2013/04/16
    「デネットの『スウィート・ドリームズ』から」
  • スティーブン・ピンカー『心の仕組み(中)』 - ぐだぐだ日記

    読書, 認知科学前回のつづき中巻のテーマは「視覚認識」「推論」「情動」の3つ。上巻で説明した「心は自然淘汰によって作られた複数のモジュールからなる計算機械だ」という考えに沿ってこれらをリバースエンジニアリングする。通常のエンジニアンリグはあたっては、なにかの目的が先にあって、機械を設計する。逆に、機械が先にあって、なんのために設計されたのか・仕組みがどうなっているかを考えるのがリバースエンジニアリングである。とりあえずメモだけ載せとく。あとで、少しだけまとめるかも(?)。 読書メモ第4章 心の目-網膜映像を心的記述に転じるディープ・アイ立体視は、わたしたちの祖先が暮らした環境における、淘汰圧に応じて進化した。そして、外界について暗黙の前提を立てることによって、解決不能の問題を解決した。この前提は私たちが進化していた時代には真だったが、現在はもはや、真とは限らない。前提1 ある点はある一つの

    sakstyle
    sakstyle 2013/03/15
    第5章 推論-人は世界をどのよう に理解するか が面白そう
  • スティーブン・ピンカー『心の仕組み(上)』 - ぐだぐだ日記

    読書, 認知科学心の仕組み~人間関係にどう関わるか〈上〉 (NHKブックス)作者: スティーブン・ピンカー,椋田直子出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2003/06/29メディア: 単行購入: 7人 クリック: 74回この商品を含むブログ (47件) を見る先週読んだ『知識の哲学』に「知識について考えるのなら認知科学の知見も取り入れた方が良いのだ」とあったので、今回このを読んだ。さて、書は一般向けということもあって、とにかく説明が分かりやすかった。というのも構成がしっかりしているので論旨が分かりやすいのと、具体例と比喩表現が豊富なので抽象的な話も頭に入りやすかったからだ。全3巻のうち、上巻である書ではピンカーの主張の二大柱である「心の計算理論」と「自然淘汰理論」について説明している。中巻・下巻ではそれらの理論を現実の事象に実際に当てはめて考察する(らしい)。上巻が基礎で、中巻

  • 戸田山和久『知識の哲学』 - ぐだぐだ日記

    読書, 哲学知識の哲学 (哲学教科書シリーズ)作者: 戸田山和久出版社/メーカー: 産業図書発売日: 2002/06/20メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 74回この商品を含むブログ (60件) を見る戸田山『知識の哲学』を読んだ。戸田山さんらしいだ。教科書的なトピックを扱いつつも後半はしっかりと自身の見解を強く打ち出す。その意味ではたしかに中立的な書き方ではないが、代わりに論旨はとても分かりやすくなっている。簡単なまとめ第一部伝統的には知識とは「正当化された真なる信念」とされる。じゃあ「正当化」ってなに?ということを説明。ここで内在主義・外在主義、信念的・非信念的などの立場が紹介される。第二部そもそもなんで知識の条件に正当化なんて求めるのさ?それは懐疑論に対抗するためである。懐疑論はデカルトの時代まで遡る。デカルトの時代はまだ科学への信頼がなかった。だから方法

  • 『ゼロ・ダーク・サーティ』を見たゼ! - 空中キャンプ

    <渋谷/キャスリン・ビグロー新作> 誰しも、自分の人生が1mmも前進している気がせず、いつになったら俺の人生は動きだすのだろうかと焦燥感にかられながら、いつ終わるとも知らない待機の時間を耐えた経験を持つようにおもう。<待機>には奇妙なリアリティがある。われわれが生きる時間のほとんどは、無為で空虚な待機に費やされるのではないか。ものごとが一気呵成に進展することなどまれで、ほんの少し前進すれば、また長い待機の時間があり、あらたなきっかけを得て前進すれば、次に待っているのはさらなる待機でしかない。そのようにしか、たいていの現実は前に進まない。 『ゼロ・ダーク・サーティ』の157分という長尺は、つまりは主人公のCIA分析官マヤが耐えた待機の時間でもあり、ゆえに物語は長尺であること、観客が物語を通じて待機を追体験することが要請されるのではないだろうか。劇中、彼女はひたすらに待たされる。何の進展も新し

    『ゼロ・ダーク・サーティ』を見たゼ! - 空中キャンプ
  • 限界研blog

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  • 『桐島、部活やめるってよ』を見たゼ! - 空中キャンプ

    渋谷にて。初日。すばらしい! 原作は未読なので、映画単体での評価になりますが、きわめてクオリティの高い作品だと感じました。ストーリー全体の構成や編集もたしかであり、抑えた演出によって各登場人物のグラデーションが浮き上がる点もみごと。思春期の残酷さや刹那、純粋性や未熟さといったモチーフが、せりふではなく映像や演技によって伝えられる手法にも好感を持ちました。ラストシーンでは完全に心を持っていかれ、傑作を確信しました。バレー部のエース、桐島が退部したといううわさが学内に流れ、生徒たちの関係性が少しずつ変化していく、というあらすじ。 ──以下、ストーリーにあるていど言及していくため、情報を遮断した状態で見たい方は注意してください── 冒頭、学校内を歩く生徒の背中を追うカメラの動きが、ガス・ヴァン・サントの『エレファント』(’03)を連想させる。こうした撮影の手法にとどまらず、高校を舞台にし、複数の

    『桐島、部活やめるってよ』を見たゼ! - 空中キャンプ
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    sakstyle 2012/08/17
    カメラなどが『エレファント』的とな
  • 『おおかみこどもの雨と雪』を見たゼ! - 2012-07-22 - 空中キャンプ

    新宿にて。初日。とてもいい映画でした。おおかみと人間のあいだに生まれたふたりの子ども(姉と弟)の成長と、それに伴う困難、希望を描いていくというあらすじ。キュートな登場人物たちのいきいきとした姿が魅力的で、アニメーションならではの新鮮な映像表現にも目を見張りました。 まず何より秀逸なのは、ストーリーの基となる「半分人間、半分おおかみ」という子どもたちの設定である。物語の後半になるほど、その不安定さ、どちらともつかない状態が意味を持つようになる。誰もが一度は経験したであろう普遍的な不安や孤独、心細さといった感情を、「人間とおおかみのあいのこ」というメタファーによって巧みに描く構成がみごとだ。「自分は周囲と相容れない、おかしな人間なのではないか」という怖れ。誰も手を差し伸べてくれる理解者がいない中での孤独な子育て。「こんなことを他人に知られたら、誰にも相手にされなくなってしまうはずだ」と不安に

    『おおかみこどもの雨と雪』を見たゼ! - 2012-07-22 - 空中キャンプ
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    sakstyle
    sakstyle 2012/06/21
    スチームパンクかーとあまりピンと来てなかったけど面白そうかもしれない
  • 『なぜ古典を読むのか』/イタロ・カルヴィーノ(河出文庫) - 2012-06-07 - 空中キャンプ

  • DNAでもRNAでもない新たな遺伝物質XNAについて - 蝉コロン

    科学遺伝、進化できる物質作製に成功 生命起源や研究に貢献 - 47NEWS(よんななニュース)進化するだなんだ言っていますが、どうなんでしょう。実際の論文はこちら。 Synthetic Genetic Polymers Capable of Heredity and Evolution さて、DNAの構造はこんな感じです。http://en.wikipedia.org/wiki/File:DNA_chemical_structure.svgデオキシリボースという五炭糖(図中オレンジ)がリン酸(図中黄色P)を介して連なっていて、AGCTの塩基が枝みたいに伸びています。二鎖の相補対が点線で結ばれてます。ちなみに図でバックボーンと書かれているように、塩基がなくても縦のリン酸結合の数珠つなぎ自体は壊れない。DNA二鎖だったらそういう塩基のない部分は歯抜けみたいになりabasic siteと呼ば

  • 『TIME/タイム』を見たゼ! - 2012-03-21 - 空中キャンプ

  • 『ヒューゴの不思議な発明』を見たゼ! - 2012-03-16 - 空中キャンプ

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    sakstyle 2012/03/17
    「しかし本作はまったく逆に、ギミック感の強い「飛びだす3D映像」が満載され、奇抜な出しものとしての3Dが強調されている。」
  • ショーン・ギャラガー,ダン・ザハヴィ『現象学的な心―心の哲学と認知科学入門』 - Repeat The Ending

    読書 | 02:28 | 現象学と聞いてどんな反応が返ってくるかは人によって大きく分かれるところでありましょう。ある人はカルナップ、ウィーン学団によって形而上学として葬り去られた学とみなすだろうし、またある人はミシェル・フーコーやレヴィ=ストロースによる批判、もしくはデリダによって「現前の形而上学」として過去のものにされたとみる人もいるだろう。最近の認知科学周辺の事情に詳しい人なら興味深いものとして受け入れてくれるかもしれない。書は最後の立場から現象学と認知科学の架橋を試みる。もっとも最近では分析哲学内でも形而上学は当たり前になってきているし(「分析系」がつくが)、現象学以降の大陸哲学についても、元々デリダ研究をしていた批評家・小説家の東浩紀氏が、2010年の8月に瀬名秀明氏、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)研究の牛場潤一氏、iPS細胞研究の岡野栄之氏と4名で幹細胞医学につい

  • 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を見たゼ! - 2012-02-18 - 空中キャンプ

    有楽町にて。初日。スティーブン・ダルドリー新作。ジョナサン・サフラン・フォアの原作を映画化した作品で、個人的にも原作小説に思い入れがあったため、期待度が高い公開初日でした。911で父親を失った少年が亡き父の遺品を見つけ、その謎を解くためにニューヨークの街を走りまわる、という物語。原作を読んでしまっている以上、映画単体として見る、とらえることがむずかしい部分もあるのですが、長編小説が語れる内容と、映画が語れることの差についてもいろいろと考えながら見ました。 映画化された作においてもっとも強調されているのは、911の悲劇性である。むろん原作においても911は悲劇なのだが、主人公の少年が抱える喪失感は、映画化によってより前面に押し出されている。原作における主人公の少年は、抑えることのできない知的好奇心とやみくもな行動力、傷つきながらもまだ保持されている無垢さ(イノセンス)が特徴だ。そこには、キ

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    sakstyle 2012/02/19
    原作小説との比較
  • 2011年の映画をふりかえる/結果発表 - 空中キャンプ

    (写真は「ふりかえる」イメージキャラクターのオリーヴさんです) みなさんこんにちは。このブログを書いている伊藤聡ともうします。毎年恒例となっています「ふりかえる」企画の結果を発表します。今年は社会的に重大な事件も多発し、生活していくことの意味あいが激変した一年でもあり、みなさんのアンケート結果を読んでいると、映画を見るという行為の文脈も変わってきたような印象を受けました。今年の一月とか、なんかもうすごい昔という感じですが……。なにかと重い気分になりがちな年ですが、今回選ばれた十作品はどれもエンターテインメントとしてすぐれたものばかりですので、たのしい年末年始のDVD鑑賞の参考にしていただきたいとおもいます。このような質問内容でアンケートを募りました。 名前/性別/ブログURLもしくはTwitterアカウント 2011年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください 2で選んだ映画

    2011年の映画をふりかえる/結果発表 - 空中キャンプ
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    sakstyle 2011/12/26
    集計お疲れ様です。/やっぱり今年全然見てない。
  • 2011年の映画をふりかえる - 空中キャンプ

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    sakstyle 2011/12/16
    これくると、いよいよ年末だなって感じがするのです
  • 『映画監督 スタンリー・キューブリック』/ヴィンセント・ロブロット(晶文社) - 空中キャンプ

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    sakstyle 2011/12/11
    「少なくとも、キューブリックの圧倒的な才能は、たゆまぬ学習と試行錯誤に支えられているという事実である」