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ブックマーク / www.natureasia.com (198)

  • 惑星科学:岩石質の系外惑星「かに座55番星e」の大気の特徴を解明する | Nature | Nature Portfolio

    地球から約41光年離れた位置にある岩石質の系外惑星「かに座55番星e」には、厚い大気が存在している可能性があることを報告する論文が、Natureに掲載される。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の観測結果から、この系外惑星を取り囲む複数種のガスからなる大気層の存在が示された。これまでに実施された複数の岩石質の惑星の観測では、大気が存在すること、あるいはわずかな大気が存在することを示す証拠は見つかっていなかった。 太陽系外惑星であるかに座55番星eは、いわゆるスーパーアース(巨大地球型惑星)であり、半径は地球の約2倍、質量は地球の8.8倍で、太陽よりも質量の小さい恒星の周りを公転している。これまでの観測で、この岩石質の惑星には大気が存在する可能性が高いことが示唆されていたが、この大気の範囲や組成を決定することは困難だった。 今回、Renyu Huらは、かに座55番星eの性質を調べるため

    惑星科学:岩石質の系外惑星「かに座55番星e」の大気の特徴を解明する | Nature | Nature Portfolio
    sakstyle
    sakstyle 2024/05/09
    「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の観測結果から」これまで岩石惑星で大気の存在を示す証拠は見つかっていない。かに座55番星eの二次食を分析し、一酸化炭素・二酸化炭素に富んだ大気が示唆された
  • 進化学:地球の磁場が弱くなっていたために地球上の生物の多様化が進んだのもしれない | Communications Earth & Environment | Nature Portfolio

    5億9100万~5億6500万年前、地球の磁場の強さが異常に低下したのと同時に、大気と海洋の酸素濃度が大幅に上昇していたことを報告する論文が、Communications Earth & Environmentに掲載される。著者らは、地球の磁場が弱くなったために酸素濃度が上昇し、初期の複雑な生物の進化が下支えされたと考えられるという見解を示している。 6億~5億4000万年前の地球上の生命体は、エディアカラ動物群(最古の複雑な多細胞動物群)として知られる軟体生物で構成されていた。この化石記録は、こうした軟体生物の複雑度と種類が5億7500万~5億6500万年前に著しく多様化したことを示している。これまでの研究で、この多様化が、同時期に発生した大気と海洋の酸素濃度の大幅な上昇に関連していたことが示唆されている。しかし、こうした酸素濃度の上昇が起こった原因は、いまだに解明されていない。 今回、

    進化学:地球の磁場が弱くなっていたために地球上の生物の多様化が進んだのもしれない | Communications Earth & Environment | Nature Portfolio
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    sakstyle 2024/05/08
    エディアカラ紀の多様化←大気と海洋の酸素濃度の大幅な上昇に関連←何故酸素濃度が上昇したか謎だった←地球の磁場が弱くなったため(同時期の磁場を測定した、という研究)
  • 化学:生命の化学的起源がどのように形成されたかという謎の解明に向けた熱い流れ | Nature | Nature Portfolio

    生命の化学的起源に関係のある分子が、火山や地熱系に見られる岩の割れ目を通る熱流によって精製され得ることが実験室実験で明らかになった。このことを報告する論文が、Natureに掲載される。今回の研究から、生命の最初の構成要素が複雑な化学混合物からどのように形成されたかについての説明が得られた。 生体高分子とその成分の形成は、初期地球における生命の起源の重要な瞬間だった。しかし、そうした経路を実験室内で再現するのは困難で、多くの場合、これらの複雑な反応から数多くの副産物が生じる。このことは、生物を構成する生体関連物質が無視できる程度に少ないことを意味する。こうした要素を精製する方法を考案しようとするこれまでの試みでは、一度に広範囲の分子を単離することができず、方法の特異性に限界があった。 今回、Christof Mastらは、地質学的な発想によって作られた、微小な亀裂(厚さ170マイクロメートル

    化学:生命の化学的起源がどのように形成されたかという謎の解明に向けた熱い流れ | Nature | Nature Portfolio
  • 気候変動:南極の氷から取り出せなくなる隕石試料が増える可能性 | Nature Climate Change | Nature Portfolio

    地球外天体の試料である隕石は、南極で数多く見つかっている。このほど行われた研究で、南極の氷床表面に存在している数千個の隕石が、気温上昇のために氷の中に沈み込むスピードが速くなり、その多くが採集・利用できなくなる可能性が増すという予測が示された。このことを報告する論文が、Nature Climate Changeに掲載される。 地球外天体(月、火星や大型の小惑星など)に由来する隕石は、惑星科学にとっての重要な知識源になっている。これまでに採集された隕石の60%以上が南極で採集されており、まだ30万~85万個の隕石が採集されずに氷床に残っていると推定されている。ところが、こうした隕石の保管庫が、気候変動のために脅かされている。隕石が氷の中に沈み込み、研究者の手が届かなくなるためだ。 今回、Veronica Tollenaar、Harry Zekollariらは、南極における隕石の分布を推定する

    気候変動:南極の氷から取り出せなくなる隕石試料が増える可能性 | Nature Climate Change | Nature Portfolio
    sakstyle
    sakstyle 2024/04/14
    “南極の氷床表面に存在している数千個の隕石が、気温上昇のために氷の中に沈み込むスピードが速くなり、その多くが採集・利用できなくなる可能性が増すという予測”
  • 惑星科学:若い火星は構造学的にも火山学的にも活発だった可能性がある | Nature Astronomy | Nature Portfolio

    火星には、初期形成の後、およそ35~40億年前に活発な火山活動と地殻再循環の時代が存在した可能性がある。このことを報告する論文が、Nature Astronomyに掲載される。 地球とは異なり、現在の火星には、火山活動や地殻活動はほとんど存在しない。さらに、火星地表のほぼ半分は35億年以上前のものであり、このことは、それ以降、広範囲の地殻再循環(地球での地殻活動のように表面物質がマントルへと再循環される、通常はテクトニクスによって駆動される現象)が起こっていないことを示している。最近の発見からは、このことがいつも当てはまるわけではないことが示唆されているが、火星の形成後の最初の10億年間の地質学的活動は、現在もよく分かっていない。 今回、Joseph Michalskiらは、マーズ・グローバルサーベイヤー、マーズ・オデッセイ、マーズ・リコネサンス・オービターなどのさまざまな火星探査機から得

    惑星科学:若い火星は構造学的にも火山学的にも活発だった可能性がある | Nature Astronomy | Nature Portfolio
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    sakstyle 2024/02/16
    “火星で観測されたこうした活動の残存物を生じる環境が、地球に対して提唱されている生命の熱水起源シナリオに非常に類似している可能性を示唆”
  • 天文学:土星の衛星ミマスに地下海洋が存在することを示す証拠 | Nature | Nature Portfolio

    クレーターのある氷の地表を持つ土星の衛星ミマス地下には、海洋が隠れている可能性があることを指摘した論文が、Natureに掲載される。土星探査機カッシーニから送られてきた観測データの解析から、ミマスの地下海洋は比較的新しく、今なお進化を続けていることが明らかになった。ミマスの研究を続けることで、氷天体の形成についてさらに多くの知識が得られるかもしれない。 一部の衛星の地表下に海洋が存在することを示す証拠が蓄積されてきているが、そうした海洋を検出することは難しい課題だ。土星の小衛星の1つであるミマスは、エンセラダスなどの他の氷衛星とは表面特性が異なるため、地下海洋を検出する対象の候補にはなりにくい。こうした考えに対して、カッシーニ探査機によるミマスの観測データを評価したValery Laineyらは異議を唱えている。 これまでの研究で、ミマスの内部に関して2つの可能性が示されていた。1つは引き

    天文学:土星の衛星ミマスに地下海洋が存在することを示す証拠 | Nature | Nature Portfolio
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    sakstyle 2024/02/08
    ミマスは「地下海洋を検出する対象の候補にはなりにくい」と考えられていたが、カッシーニの観測データ解析から地下海が。「この海洋が2500万~200万年前に出現したことが示唆される」めちゃくちゃ最近じゃん
  • 古生物学:小型恐竜は羽毛の生えた翼を羽ばたかせて被食者を怖がらせた | Scientific Reports | Nature Portfolio

    小型の雑恐竜や昆虫恐竜は、羽毛の生えた原始的な翼を羽ばたかせて、隠れている被者をおびき出していた可能性があることを示した論文が、Scientific Reportsに掲載される。今回、著者らは、ロボプテリクスという名の恐竜ロボットを作製し、このロボットにバッタを脅かすいろいろな行動をとらせて、バッタがどのように反応するかを調べた。著者らは、今回の結果が、一部のタイプの恐竜において飛行能力を備える前に羽毛の生えた翼が進化した理由を説明するために役立つのではないかと推測している。 羽毛のある恐竜種の遺骸が数多く発見されているが、これまでのところ、恐竜の分類群の1つであるペンナラプトラに属する恐竜種だけが、飛行に必要な羽毛の一種である大羽(pennaceous feather)を持っている状態で発見されている。化石記録によれば、大羽は当初、飛行するために十分な強度がない小型の原始的な翼に生

    古生物学:小型恐竜は羽毛の生えた翼を羽ばたかせて被食者を怖がらせた | Scientific Reports | Nature Portfolio
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    sakstyle 2024/01/26
    “飛行能力を備える前に羽毛の生えた翼が進化した理由を説明する”/ロボットを使った研究/原始的な羽でバッタを驚かせる
  • ゲノミクス:古代ヨーロッパ人のゲノムは現代人集団のゲノムをどのように形作ったのか | Nature | Nature Portfolio

    古代ユーラシア人集団のゲノム史を洞察するための手掛かりが、古代DNAの解析によって得られた。この知見を報告する4編の論文が、今週、Natureに掲載される。これらの論文に示された研究では、合わせて1600人以上の古代人の遺伝的データが解析され、過去約1万5000年にわたるヨーロッパの人類集団史に関する知見がもたらされた。 現代の西ユーラシア人集団の遺伝的多様性は、3つの主要な移住現象によって形作られたと考えられている。すなわち、約4万5000年前以降の狩猟採集民の到来、約1万1000年前以降の中東からの新石器時代の農耕民の拡大、そして約5000年前のポントスステップからのステップ牧畜民の到来である。狩猟採集から農耕への転換は、人類の歴史における重要な移行であるが、この移行期におけるヨーロッパとアジアの集団の構造と人口動態の変化に関する詳細な情報は少ない。 Morten Allentoft、

    ゲノミクス:古代ヨーロッパ人のゲノムは現代人集団のゲノムをどのように形作ったのか | Nature | Nature Portfolio
  • 気候変動:人為起源の温暖化が北半球の積雪量の減少に及ぼす影響 | Nature | Nature Portfolio

    人為起源の温暖化が原因となって1981年から2020年までの間に北半球の積雪量が減少したことを報告する論文が、Natureに掲載される。 暖冬になると、雪よりも雨になりがちで、雪解けが進み、積雪量が減少するが、こうしたことが水の安全保障だけでなく、広範な生態系に影響を及ぼしている。季節的な積雪量は人為起源の気候変動の影響の指標になると予想されている。しかし、半球、大陸、河川流域のスケールで一貫した温暖化傾向が観測されている反面、積雪量の減少については同じ傾向が見つかっていない。 今回、Alexander GottliebとJustin Mankinは、人為的な温暖化が雪に及ぼす影響を調べるために、北半球における3月の雪塊の質量(積雪水量)の観測値と複数の気候シナリオにおける気温と降水量のデータを合わせて検討した。その結果、1981年から2020年までの間に人為的な温暖化が雪塊の減少に寄与し

    気候変動:人為起源の温暖化が北半球の積雪量の減少に及ぼす影響 | Nature | Nature Portfolio
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    sakstyle 2024/01/11
    「1981年から2020年までの間に人為的な温暖化が雪塊の減少に寄与したことが示唆された」
  • 人間行動学:誤った情報を検証するためにネット検索をしていると、その情報が真実だと確信してしまうことがある | Nature | Nature Portfolio

    検索エンジンを使ってフェイクニュースの真偽を判定する課題に取り組んだ被験者は、その情報を真実だと確信してしまう確率が高いという研究結果を報告する論文が、Natureに掲載される。フォローアップ実験から、こうした結果が得られた理由として、被験者がネット検索で得た情報の質が低かったことが挙げられると示唆された。今回の知見は、ネット検索を行う人々が検索結果の質を評価できるように手助けするデジタルリテラシープログラムが不可欠であることを示唆している。 間違った情報が増え続け、政治的分断が拡大し続けている昨今、真実の探求は、手っ取り早くネット検索することよりも複雑化しているかもしれない。ソーシャルメディア上で間違った情報が拡散する仕組みについては、これまでも研究が行われてきたが、人々が検索エンジンを使ってどのように間違った情報の事実確認を行っているかについては、ほとんど注目されていなかった。 今回、

    人間行動学:誤った情報を検証するためにネット検索をしていると、その情報が真実だと確信してしまうことがある | Nature | Nature Portfolio
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    sakstyle 2023/12/21
    フェイクニュースの真偽をネット検索で調べるよういわれた被験者は、間違った情報を真実と評価しやすかった、という実験。「ggrks」はもうだめ、というのは前から言われてたけど、それを実証するような話
  • コンピューティング:機械学習のアプローチで人間の一生を予測できる可能性 | Nature Computational Science | Nature Portfolio

    若くして死亡する可能性や性格のニュアンスなど、人間の一生のさまざまな側面を正確に予測できる可能性のある機械学習のアプローチについて記載する論文が、Nature Computational Scienceに掲載される。このモデルは、人間の行動の定量的な理解につながる可能性がある。 社会科学者は以前から、人間の一生は予測可能なのかという問題を巡って議論してきた。人間の一生に重要な役割を果たす社会人口統計学的要因はよく理解されているが、人生の転帰を正確に予測することはできなかった。 今回、Sune Lehmannらは、デンマークの国民登録簿に記録されている約600万人分の教育、健康、収入、職業、およびその他のライフイベントに関するデータを使用し、機械学習のアプローチにより個人の人生の軌跡を構築することを試みた。Lehmannらは、言語処理技術を応用し、言語と同様の方法により、モデル内で人間の一生

    コンピューティング:機械学習のアプローチで人間の一生を予測できる可能性 | Nature Computational Science | Nature Portfolio
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    sakstyle 2023/12/19
    「デンマークの国民登録簿に記録されている約600万人分の教育、健康、収入、職業、およびその他のライフイベントに関するデータを使用」「life2vec」「この研究はあくまでも可能性を探るもの」ディストピアSF一歩手前
  • 化学:マンガンを含む抗酸化物質の放射線抵抗性が初期地球での生命誕生を推進した可能性がある | Nature Communications | Nature Portfolio

    ガンマ線に耐性のあるマンガン系抗酸化物質を含む細胞様の構造が原始地球に存在し、これが生命の進化を可能にしたことを示すモデルについて記述した論文が、Nature Communicationsに掲載される。今回の知見は、進化の過程において初期の細胞が放射線損傷に対してどのように防御していたかを明らかにしている。 最初に地球上に出現した細胞は、プロトセル(原始細胞)と呼ばれる。原始細胞は、放射線量が現在よりはるかに高いことが知られている初期地球の過酷な条件下で存在した可能性があると考えられていた。放射線の照射は活性酸素種の産生を誘導し、活性酸素種は生体分子を損傷するが、原始細胞が放射線による破壊に対してどのように防御していたのかは分かっていない。これまでの研究から、高線量のガンマ線に抵抗性を持つDeinococcus radioduransという細菌は、無機ポリリン酸塩(多数のリン酸残基の鎖)と

    化学:マンガンを含む抗酸化物質の放射線抵抗性が初期地球での生命誕生を推進した可能性がある | Nature Communications | Nature Portfolio
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    sakstyle 2023/12/06
    マンガン
  • 天文学:新たに発見された6惑星系 | Nature | Nature Portfolio

    地球近傍の明るい恒星HD 110067の周りを公転する6つの太陽系外惑星が発見されたことを報告する論文が、Natureに掲載される。6つの惑星の半径は地球より大きく、海王星より小さい。これらの惑星について、公転軌道の詳細や質量と密度の推定値が計算され、この惑星系の形成やこれらの惑星の大気の組成に関する手掛かりがもたらされた。 太陽系外にある太陽類似星の半数以上には、近接した軌道で公転する複数の「サブ海王星」惑星(半径が地球より大きく海王星より小さい惑星)が存在している。しかし、これらの惑星の組成、形成、進化の詳細はよく分かっていない。HD 110067は、かみのけ座の明るい恒星で、地球から約100光年離れており、地球の北半球から見ることができる。 今回、Rafael Luqueらは、2020年と2022年にNASAのトランジット系外惑星探索衛星(TESS)が行ったHD 110067の観測で

    天文学:新たに発見された6惑星系 | Nature | Nature Portfolio
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    sakstyle 2023/11/30
    東大がプレスリリース出してた奴。TESSとCHEOPSの名前はあるけどMuSCATの名前載ってないな、ここには。40億年以上、この惑星系が変化していないことを意味する、と
  • 気候科学:春の中頃の南極のオゾンホールは過去20年にわたって拡大していた | Nature Communications | Nature Portfolio

    南極のオゾンの総量は回復傾向にあるとこれまで報告されていたが、これに反して、南極の春の中頃(10月)の南極オゾンのコア部分(成層圏中層)の全オゾン量が2004年から今までに26%減少していたことが示唆された。このことを報告する論文が、Nature Communicationsに掲載される。ただし、南極の春の初め(9月)のオゾン量の回復傾向は続いている。今回の知見は、地球の気候の動的状態の変化に伴うオゾン層の状態を継続的にモニタリングし評価することの重要性を明確に示している。 1987年に採択されたモントリオール議定書には、規制対象物質としてのオゾン層破壊物質のリストが定められ、これらの物質の製造が禁止され、これによってオゾンの回復に成功したと広く考えられている。しかし、南極上空のオゾンは春先にはやや増加してオゾンホールがわずかに改善されているが、過去3年間(2020~2022年)、春の中頃

    気候科学:春の中頃の南極のオゾンホールは過去20年にわたって拡大していた | Nature Communications | Nature Portfolio
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    sakstyle 2023/11/22
    “南極のオゾンの総量は回復傾向にあるとこれまで報告されていたが、これに反して、南極の春の中頃(10月)の南極オゾンのコア部分(成層圏中層)の全オゾン量が2004年から今までに26%減少していたことが示唆された”
  • 技術:何を触ったかが正確に分かる人工感覚システム | Nature Communications | Nature Portfolio

    ツイル、コーデュロイ、ウールなどの微細な質感を人間の指に近い高分解能で認識できる人工感覚システムについて報告する論文が、Nature Communicationsに掲載される。著者らは、今回の知見がロボットや人間の義肢の微細触覚能力を改善するために役立つ可能性があり、将来的には仮想現実に応用できるかもしれないと考えている。 人間は、物体の表面に指を当ててゆっくりと滑らせて、静圧と高周波振動の両方を捉えることによって物体を識別できる。圧力などの物理的刺激を感知するための人工触覚センサーを作製する従来の方法は、実際の物体に触れて識別する能力や複数のセンサーに依存する能力が足りなかった。高い時空間分解能と感度を有するリアルタイム人工感覚システムの作製は難題となっていた。 今回、Chuan Fei Guoらは、人間の指紋の特徴を模倣したフレキシブルなすべり覚センサーについて報告している。このセンサ

    技術:何を触ったかが正確に分かる人工感覚システム | Nature Communications | Nature Portfolio
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    sakstyle 2023/11/15
    「このセンサーは微細な触覚信号を捉えることができ、リネン、ナイロン、ポリエステル、サッカーなど20種類の繊維を最大100%の精度で識別できる」
  • 化学: ロボット化学者が火星の隕石から酸素を作った | Nature Synthesis | Nature Portfolio

    ロボット人工知能AI)化学者を用いることによって、火星の隕石から酸素生成物質が作られたことを報告する論文が、Nature Synthesisに掲載される。今回の研究は、酸素生成の概念を実証するとともに、将来の有人火星探査ミッションに影響を及ぼす可能性がある。 酸素はロケット推進剤や生命維持システムに用いられており、火星での人間活動にとって極めて重要である。従って、将来の有人火星探査ミッションには、酸素の生成が必要になる。こうしたミッションを長期にわたってより費用対効果の高い、単純なものとする方法の1つは、地球から輸送するのではなく、既に火星に存在している資源を用いて酸素を発生させることであろう。火星に水が存在するという新たな証拠と、火星隕石の元素組成の分析結果から、火星の資源を用いて触媒を合成する機会がもたらされる可能性がある。 Jun Jiangらは今回、人間の介入なしに火星の物質から

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    sakstyle 2023/11/13
    「Jun Jiangらは今回、人間の介入なしに火星の物質から酸素を発生させる触媒を合成できるロボットAI化学者を開発」「この作業を人間が行うと2000年かかる」
  • 気候変動:グリーンランド北部に残る棚氷の脆弱化が広範囲に及んでいる | Nature Communications | Nature Portfolio

    グリーンランド北部の棚氷は急速に後退しており、1978年以降、全体積の30%以上が失われたことを明らかにした論文が、Nature Communicationsに掲載される。これらの棚氷は安定しているものと長い間考えられてきたが、2000年以降に3つの棚氷が既に完全に崩壊していた。著者らは、残っている5つの棚氷のうち、棚氷の質量減少が近くの氷河を不安定化させており、これらの氷河は海洋の温暖化に伴って後退を続け、海水準の上昇に深刻な影響を及ぼすことになるという見解を示している。 グリーンランドの氷床の氷質量の減少は、2006~2018年に観測された海水準上昇の17.3%に寄与した。グリーンランドで最後に残った浮遊棚氷は氷床の北端にあり、海洋への氷の流出を調整することで氷床を安定させている。グリーンランドの北部氷河が不安定化し始めたのは、このわずか20年間のことであり、氷河が海上に押し出されてそ

    気候変動:グリーンランド北部に残る棚氷の脆弱化が広範囲に及んでいる | Nature Communications | Nature Portfolio
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    sakstyle 2023/11/08
    「2000年以降に3つの棚氷が既に完全に崩壊していた。著者らは、残っている5つの棚氷のうち、棚氷の質量減少が近くの氷河を不安定化させており」
  • 惑星科学:月を形成した古代の天体衝突は地球のマントルを変質させていた | Nature | Nature Portfolio

    約45億年前に発生した古代の原始惑星「テイア」と原始地球の巨大衝突によって、地球のマントル内に独特な領域が形成された可能性のあることが、コンピューターシミュレーションで示された。このことを報告する論文が、Natureに掲載される。この巨大衝突は月の形成につながったと考えられており、その結果として、地球のマントルの奥深くにテイアの遺物が埋没したという説が提起されている。今回の知見で、地球と月の形成に関する知識が深まる可能性がある。 この巨大衝突のシナリオによれば、テイアが原始地球と衝突し、衝突の残骸から月が形成されたという。しかし、テイアの存在を示す直接的な証拠は、まだ見つかっていない。 今回、Qian Yuanらは、コンピューターシミュレーションを用いて、地球のマントルの深さ約2900キロメートルに地震波速度が異常に遅い2つの大きな領域が存在するという観測結果の説明を試みた。この2つの領域

    惑星科学:月を形成した古代の天体衝突は地球のマントルを変質させていた | Nature | Nature Portfolio
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    sakstyle 2023/11/06
    “このように密度の高い領域が、月の形成につながった巨大衝突の自然な結果であった可能性があると述べた上で、(...)同様のマントル不均質性が他の惑星体の内部にも存在する可能性があるという見方”
  • 古生物学:これまでで最も大きな古代ヤツメウナギが発見された | Nature Communications | Nature Portfolio

    中国北部で発見された1億6000万年前のヤツメウナギ種の化石2点について報告する論文が、Nature Communicationsに掲載される。このヤツメウナギは異常に大きく、体長は最初期のヤツメウナギの10倍以上とされる。発見された化石は、保存状態が良好であり、ヤツメウナギ類の化石記録の重要な欠落部分を埋め、ヤツメウナギの摂の進化史、生活環、地理的起源に関する重要な知見をもたらす。 ヤツメウナギは、無顎脊椎動物の2つの現生系統のうちの1つで、今から3億6000万年前までの化石記録が存在している。ヤツメウナギの生活環は3つの異なる段階からなり、摂行動も独特で、歯の付いた口吸盤を使って自分の体を獲物に固定する。古生代の最初期のヤツメウナギは、体長がわずか数センチメートルと小さく、摂構造が弱く、生活環に転換期の段階がなかったことが知られている。しかし、わずかな数のヤツメウナギの化石しか発

    古生物学:これまでで最も大きな古代ヤツメウナギが発見された | Nature Communications | Nature Portfolio
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    sakstyle 2023/11/01
    「中国北部にあるジュラ紀の陸生化石産地の燕遼(Yanliao)生物相」「古生代(...)摂食構造が弱く、生活環に転換期の段階がなかった」「ジュラ紀までには捕食性(...)3段階の生活環が既に進化していた可能性が高い」
  • 化学:化学者の直観を機械学習したモデルによる創薬支援 | Nature Communications | Nature Portfolio

    プロの化学者がそれぞれのキャリアで得た集合的な知識(通常「化学的直観」と呼ばれる)を部分的に再現できる機械学習モデルについて報告する論文が、Nature Communicationsに掲載される。著者らは、この知見によって、今後の創薬キャンペーンをもっと効率的に遂行できる可能性があると考えている。 これまで、創薬と新規化学物質の発見を導いてきたのは、実験による試行錯誤と研究者がそれぞれのキャリアで得た知識だった。シミュレーションツール、特に機械学習を使用すると、研究者が有望な分子をより効率的に発見できるようになり、新しい医薬品の開発コストを大幅に削減することができる。機械学習によって分子の性質を予測するには、分子を数学的表現に変換する必要があり、この数学的表現は通常、性質や「特徴」の集合体によって構成される。正しい特徴を把握することは、こうしたデータ駆動予測モデルによる性質の予測を成功させ

    化学:化学者の直観を機械学習したモデルによる創薬支援 | Nature Communications | Nature Portfolio
    sakstyle
    sakstyle 2023/11/01
    「35人の医薬品化学者に2種類の化合物5000組を次々に提示して、望ましいと思う化合物を1つ選ばせるランキングゲームを実施した。そして、これらの化学者たちの回答を使って機械学習モデルを訓練」