宇宙ベンチャー「スペースワン」(東京都)が9日、和歌山県串本町の民間ロケット発射場から小型ロケット「カイロス」初号機を発射し、人工衛星を打ち上げる。民間単独で衛星を打ち上げるのは国内初。初号機にして政府の安全保障に関わる衛星を軌道投入する重責を担う。成功すれば日本の宇宙開発に与えるインパクトは大きく、地元の期待も日増しに高まっている。 実績あるメーカーが後押し 日本の宇宙輸送の手段は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を主導した大型ロケットの「H2A」や「H3」、小型の「イプシロン」に限られている。民間では、実業家の堀江貴文さんが創業した「インターステラテクノロジズ」(北海道)の小型ロケットがあるが、宇宙空間への到達は果たしたものの、まだ人工衛星を軌道に乗せたことはない。 カイロスは全長約18メートル、重量約23トンで、イプシロンの4分の1ほどの大きさ。初号機は内閣官房の情報収集衛星の